国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   緊張感の強弱   本因坊

 とうとう駅に着いたか。あと少しだ。(書き出しの工夫)
 二月一日の朝、僕はH駅にいた。A中学校の入試だ。受験勉強は、一年程前からやってきた。この日は、その成果を出す日だ。僕にとって、ここの中学校は第二志望校だが、一日ということもあり、ドキドキする。駅を出、坂道を上る。一歩一歩確実に。大学進学予備校が、ペンつきのパンフレットを配っている。それをもらう。そして、とうとう校門まで来た。塾の先生が、激励の握手をするために、並んでいる。まるで、鳥のように。僕の室長はいないのかな? 心臓の音が伝わってくる。母が先を歩いている。
「あっ、O先生だ!」
頑張れよ、と先生がいう。この時、先生は普通の顔をしていたが、後々聞いたところによると、僕の方は、顔は緊張、手もガチガチだったそうだ。思っていたよりも、緊張していたのだ。そして、各自の受験教室へ。そこの教室には友達が二人もいた。自分の席に座る。よーし、頑張るぞ。こう思ったのが、さらに自分の体に緊張感を与えたのかもしれない。学校の先生は、リラックスリラックス、まだ試験までにはあと少し時間があるよ、という。リラックスしようとする。だが、出来ない。なぜだろう。それを邪魔しようとする大きな何かが、立ちはだかっているように感じる。(よう)そのうち、試験が始まる。集中は出来ているのだが、なかなかペンが進まない。いつもよりもどこか慎重になっている。結局、一日は落ちた。また、第一志望校だった、二日のE中学校も×。
 一日二日両校の結果が出た三日。僕の家では節分で豆まきが行われた。四日のとき、いままでの受験不合格の神(いわば貧乏神のようなもの)が、一日二日のように現れないようにするためだ。父も母も僕に気遣ってくれ、受験の話には一切触れなかった。
 四日。S中二次入試。電車に乗っても、緊張していない。二月の始めの二日間とは全く違う。これはいけるかも、とその時思った。とうとう受験会場へ。僕と同じ教室には、また、二人の(でも一日とは違う)塾友達がいる。一人はおとなしい子、もう一人は、いつもなんとなく騒がしい子だ。もしかしたら、僕は、二人目の子のおかげで合格を勝ち得たのかもしれない。その子は、試験中も、大きな音を立てて鼻をかむ。その上、ものは一分に一回のペースで机から落とす。もしかしたら、これがほかの受験生のペースを崩したのかもしれない。
 緊張とは、今回、自分に何をもたらしたのだろうか。緊張のせいであせっていた。『急がば回れ』という諺があるのに、それも全く考えずに。僕は、これらのことから、緊張というものは、人をあせらせ、失敗にも繋がりかねないと思った。僕は、このような経験が多いからだ。だが、本当の緊張というものは、人間にとって、どのようなことをもたらすのだろうか。僕はこう思う。緊張感により、いつもよりまじめに行動できたり、他にもさまざまなメリットがあると思う。ただ、人によっては異なるとも思う。緊張というものは、必ずどこかで僕たちのプラスに転じると思う。これからの人生、緊張がプラスに働くことがないともいえない。緊張のし過ぎははっきりいって良くない。しかし、全く緊張しないのもどうかと思う。だから、ちょうどいい緊張感で生活することが大切だと思う。(諺 一般化)
 学校への道。これが本当に長かった!(書き出しの結び)

   講評   jun

 本因坊君、おかえりなさい。受験、おつかれさまでした。合格、おめでとうございます!
 久しぶりの課題は「緊張したこと」。緊張したことといえば、やはり入試ですよね。1週間前の入試を振り返って、緊張の思い出を書いてくれました。
 学校へ向かう途中、心臓の音が聞こえてくるほど緊張していたのですね。試験会場での自分の様子について「リラックスしようとする。だが、出来ない。なぜだろう。それを邪魔しようとする大きな何かが、立ちはだかっているように感じる。」と書いていますが、この状態は本当によくわかります。
 しかし、4日の入試では、ようやくこのような緊張状態から抜け出て、リラックスして試験を受けられたようですね。やはり、実力を発揮するためには平常心が大切ですね。
 結びに書いてくれたように、緊張というものはマイナスにもプラスにも作用します。程よい緊張感を保ち、緊張が背中を後押ししてくれるようになれば怖いものはありません。そのためには、緊張する場面を何度も通り抜ける必要があるのかもしれませんね。
 書き出しと結びをうまく呼応されることができました。最後の一文は実に感動的です。
                             

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