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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   行間と余白   ハーマイオニー

 私は、新聞の行間と余白の読み手である。新聞は、毎日立つ縁日のようなものである。縁日であるからには、やはりそこには、日常生活の時間の流れと異なった、さまざまな偶然の介入があった方がよい。その中で、安物でも新しいものは魅惑の空間そのものだ。さし当たり、新聞の中にそうした偶然が潜んでいる空間を探すとなると、それはやはり、あちこちに散らばっている情報である。情報も出来るだけ、個人がひそかに培養している「私」文化といったあまり人と分かち持ちたくないものに直接プラスになるものの方が、意外性の面ではより高いように思われる。多くの人が、新聞の読書欄というものをたいしてありたがらず、本の広告の方にひそかな楽しみを託そうとするのは、そのような情報の極秘化の表れかもしれない。
 私は、行間や余白といったものにもっと目を向けるべきだと思う。
 その理由は第一に、行間や余白のように一見役に立たないものが重要な役割を果たしていることがあるからだ。最近、睡眠時間が少ないため、授業中に眠くてしょうがない。全く雑談などしない先生だったら、50分間睡魔との戦いだ。昨日の6時間目は理科だったが、最後の授業で、暖かかったので本当に眠かった。女の先生で私の通っている学校の出身なので、私は親しみを感じていた。だから、必死に起きようとしていた。そのとき、突然先生が「私が17歳の時のバレンタインの思い出を話しましょう。」と言い出した。みんなは拍手をしていたが、その途端に私は目覚めた(笑)。でも私の学校は女子校なので、先生の話は誰かにチョコを渡したという話ではなかった。(そんな話があっても先生は言わないと思うが。)結局、先生の話はバレンタインデーの日に献血をして、その次の日にインフルエンザにかかってしまい、その血が使われた人はどうなったのかな、という話だった。大体の先生の雑談は、その授業に関係するものから進んでいくのだが、その先生はいきなりだったので多分、みんなを起こしたかったのだと思う。だから最初に「バレンタイン」と言っておけば、私みたいな生徒が話を聞くだろうと考えたのだと思う。私は、まんまと引っ掛かったのだ(笑)。しかし、おかげで私はそのあとの約30分間、一度も眠くなることがなかった。たとえ、その授業で雑談が一番の思い出だとしても、そのあとの授業の話が少しでも耳に入るのだから、やはり、雑談も必要だと思った。
 その理由は第二に、行間や余白といったものがなかったら疲れてしまうからだ。学校には、休み時間が休息のようになっているが、授業の時間全て私には集中出来ない。人間の集中力は1時間30分が限度だというが、私は30分で限界だ。(単に、30分で飽きるだけかもしれないが……。)データによると、収入増と労働時間短縮どちらを選ぶかという質問に対し、男性で収入を選んだ人が37%で時短が49%、女性で収入を選んだ人が28%で時短が52%とどちらも労働時間短縮を選んだ人の方が多い。(1997年、朝日新聞社)どんなに、お金がもらえても、働く時間が減ったらそれだけ自由な時間が増えるということなのでやはり、行間や余白も大事だと思った。
 確かに、中身が充実していることも大切だ。しかし、「雑草とは、まだ、その美点が発見されていない植物のことである。」という名言もあるように、中身があるから行間や余白があるのだから、両方を理解することが重要だと思う。

   講評   nara

 第一理由:理科の先生の提示した余白は、すごく意外な感じだったのだね。それだけインパクトがあるということだ。「なぜ、ここでそれが!?」という思いは、考えるということを要求する。もちろん、それは「バレンタインデー」という興味も含めてだね。その先生は、余白のうまい使い手だったということだ。
 第二理由:ここは行間や余白を「空(くう)」または「虚」と考えるとよさそうだね。空があることによって、実の部分が生きてくる。実だけでは実でなくなるし、空だけでは空でなくなる、ということだ。ずっと休みが続いていると、それは休みではなくなるということだ。余白の「白」を使って考えると、白は黒があってこそ、白としての存在をより強めることになるということね。
 このことはハーマイオニーちゃんも気づいたようだ。「中身があるから……両方を理解することが重要」というまとめはすっきりしているね。名言引用はもう少し説明を加えてもいいかな。雑草のどの部分が行間や余白と重なるのかな。

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