国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   スイスで過ごすお正月   すいす

 「改めて。明けましておめでとうございます。」家族で過ごしたお正月。スイスでの3回目のお正月である。日本で過ごすお正月とは全く違う空気だった。お正月らしさが出ているのもお年玉とちょっとした飾りのみ。普通に起床し、朝ごはんを食べ、宿題は勘弁してもらい、そして夜に御節をたべた。その前日の大晦日には三家族で集まり、大人もうすっかり酔っていて、私たち子供は12時が近づいているのにもかかわらず大騒ぎで遊んでいた。しかもその遊びが麻雀ということには驚きだ。楽しいことにはかわりがないのでいいだろう。お母さんたちはダイニングで話していた。お父さんたちはリビングで麻雀の監督をしたり、DVDを見たり、と自由にそれぞれの好きなことをしていた。
 しばらくたってから「しまった!」と言う声がダイニングから聞こえてきた。何かと思って聞いてみると年越しそばのことをすっかり忘れていて話し込んでいたら年がもう越していたらしい。みんな大慌てでダイニングに向かい年越しそばを食べた。しかし年が越えたのに除夜の鐘がないというのは寂しいことである。テレビでも除夜の鐘が映るわけではないのでテレビは消されている。スイスなのでお正月よりクリスマスを盛大に祝うのは当たり前の事なのだが、街はお正月の雰囲気が全くといっていいほどない。その上デコレーションは1月に入ってもしばらくクリスマスのままだったりする。それが許せないのは私の中にある日本人の性のせいなのだろうか。スイスのお正月はまるで海苔が磯辺餅に巻かれていないような感じだ。
 日本のお正月と言えば除夜の鐘、お年玉、福袋、初詣など色々浮かぶ。日本に住んでいたときは毎年除夜の鐘を聞き、初詣に行き、親に貰ったお年玉で自分の買いたいものを買うというようにごく普通の家庭がやるように祝っていた。特に印象深いのは小学4年生までは親からのお年玉は500円玉一枚だったことだ。お札を持つことは許されてなく、祖父母や叔父叔母から貰うお札のお年玉は親に渡し「貯金しといて!」と言っていた。小学5年生、日本で過ごした最後のお正月のとき、お札は1000札までなら持っていてもいいと言われた。そのとき、凄く嬉しく思ったことを覚えている。今ではなぜ持ってはいけなかったのか不思議に思っている。そしてお正月といえばお客が来るというイメージが強かった。特に楽しみにしていたのは、年に1回しかあえない幼馴染が来ることだ。その子の家族は毎年お正月になると私の家に来ていた。そして必ずといっていいほどかカラオケに行っていた。今となってはとても楽しい思い出である。
 スイスで過ごすお正月は寂しさもあるがいい経験でもあった。「お正月」という行事が日本人にとっては大事なものだと改めて思うことができた。「明けましておめでとうございます」という挨拶。昔から伝わってきた挨拶だが、今でも大切な挨拶だと思った。スイスと日本のお正月は「所変われば品変わる」という感じだ。しかし、お正月は人間にとって、特に日本人にとって、なくてはならない行事だ。これがなければ新年を迎えられないと私は思っている。

   講評   ogi

 こんにちは。すいすさんの初めての作文をとても楽しみにしていました。しっかりした文章で、とても上手に書けています。

<構成> 【書き出しの工夫】お正月の風景を、大みそかからお正月に変わった瞬間がわかる会話で工夫できました。「改めて」という言葉が状況をとても良く表しています。
 【書き出しの結び】書き出しで使った場面をまとめに呼応させることができましたね。できれば、一般化の主題の後、文章の最後に書き出しの結びが来るように工夫してみるとより良いでしょう。
<題材> 【前の話、聞いた話】以前に日本で過ごしたお正月の思い出が書けました。お年玉のエピソードはおもしろかったです。普段はめったに会えない親戚や友人に会えるのも、お正月ならではの特別なことですね。
<表現> 【たとえ】スイスのお正月を、海苔巻のお餅にたとえました。味気ない、という雰囲気をよく表したぴったりなたとえです。
 【ことわざの引用】 四段落目のまとめに、しっかりことわざも入りましたね。入れ方もとてもじょうずです。
<主題> 【一般化の主題】主題を「人間にとって」という一般化してまとめることができました。日本を離れてみてはじめて、お正月の大切さが身にしみたというわけですね。どんなに時代が変わっても、伝統的な行事は大切にしていきたいですね。

   

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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