国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自然とのなか   かまむ

 程なく人間とは矛盾した生き物であることが証明される出来事が起きた。町中の雑草に対する人間の態度は時と場合によって様々である。ハイキングに行けば「緑がいっぱいで気持ちがいいわねえ」と喜ぶ人も、自分の庭に出てきた雑草は血眼で引き抜いてしまう。「雑草のようにたくましい」「雑草のように生命力が強いという表現がほめ言葉としてよく使われる。でも、「雑草のようにかわいい」とはぜったいに使われない。「あなたは雑草の花のようですね」などと言おうものなら、九十九パーセント相手を間違いなくおこらせるに違いない。言い方にもよるけれど、私なら残りの一パーセントの部類に入る。(要約)
 去年の冬、私の母の母(私たちはマミーと呼んでいる。) と母の父、(私たちはパピーと呼ぶ。)が来た。私たちはこの家に引っ越していたばかりなので庭の手入れが出来ていなかったが、前の家と違ってこの家の庭は大きい。というか、前の家には庭はなかったのでそれに比べればとても大きく感じた。始めてみたとき私はまるで豪華なお城を手に入れたような感じに喜んだ。庭が大好きのマミーは大歓迎だった。
「ひろいなー。でも雑草がたくさん生えてるわ。ちょっとまってや。今抜いてあげるからな。」
と勝手に庭に下りていって草をむしり始めた。母は、
「もういいのに。ゆっくりして」
と言うのにマミーは平気で
「いいって、それにしてもすごく雑草が多いわ。」
とむくむく働いた。私と姉は反対だった。
「雑草生えててもいいじゃん。」
やら、
「うちらボウボウにしたいの。」
と言った。実は、マミーは山登りが大好き。山のどこもかしこも
「空気もきれい、草もあっていいなあ。」
という。マミーは時と場合によって同じ種類のものが好きになったり嫌いになったりする。(似た話)(たとえ)
 父は、森に入っても、
「虫がいなければそれは人口の森であって本物の自然ではない。」
と言い張り、虫がいないと分かるとその森には興味を全てなくしてしまう。だから父はゴルフ場が大嫌いである。
「あそこはね、人間の遊びのためにぜんぶ芝生にしてしまうのだ. しかも殺虫剤をまくから、草原性のちょうはみんな絶滅してしまったんだよ。例えばオオルリシジミとか、……………」
と永遠に続く。そばで母が聞いていたらぜったい、
「でもあんたは虫が採りたいからなんでしょ。」
という。すると父は、
「ひどい!知らないかもしれないけどね、………」
とまた続き、最後に母がかんかんになるまで続く。
私は父の気持ちが少し分かる。立場は違うけれど。私はあんなに広いところをただボールあそびのために木を切ってしまい、人工の池を造り、その上で高いお金を払わないと入れないという所が嫌いである。よくゴルフ場で「自然であってきれいだわ。」という人は、自然そのものが好きなのではなく、人が自然を壊して無理やり作った場所が好きなのである。(似た話。)
 人間にとって自然とは、人間が好きなものであり、嫌いなものでもある。長所は短所という具体的な例ではないだろうか。晴れと雨を、天気がいいとか悪いとかといっても通じるが、雨のときに日照りが続いた後に雨を悪い天気といったら普通は疑問が浮かぶのではないか。(一般化)(ことわざ)

   講評   kamo


 今回の作文、2.2週分だったけれど、先週の作文が2.2週分として送られていて、それに気づかず私も講評を入れてしまい、もう動かせなかったので、こちらを2.1週分に移動して講評を書かせてもらいますね。^^;
<構成>
 要約が上手にできたね。長文の中でも、その後に書いてくれた「似た話」に関係のある部分を中心に要約したのがよかった。よくできました。
<題材>
 マミーの話は、今回の似た話にはピッタリだったね。山にあるものならば、豊かな自然の一部とみなされる草も、庭に生えればただの雑草というのは、理不尽だけれど、人間にはそういうところがあるのだね。多分、マミーの方が「九十九パーセント」の多数派だね。
 お父さんの話には、私も大賛成です。私は虫は苦手だけれど、ゴルフ場がにせものの自然であることは、本当にそのとおりだと思いました。
<表現>
 「まるで……」がわかりやすく書けたね。とても上手。
 「長所は短所」も入った。ことわざは、「 」に入れると読みやすくなるよ。
<主題>
 「人間にとって自然とは、人間が好きなものであり、嫌いなものでもある。」というのは、そのまま名言になりそうだね。とてもうまいまとめ。「晴れと雨を、……」も、いい説明。この作文を読んだ人の心に、「自然とは?」「雑草とは?」と疑問を浮かべることができそうだね。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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