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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   曖昧な表現を避ける   ショウ

 現象をコトバで記述する。ある現象とあるコトバが厳密に一対一に対応しているならば、誰が現象を記述しても同じ記述になるはずだ。 これをコトバの恣意性と言う。我々はそれを適当に切り取って、コトバで言い当てようとする。コトバによる世界の切り取り方には根拠がない。たとえば、イヌとかネコとかの実体が、あらかじめ世界にあって、それに対してイヌとかネコとかの名前をつけているのではなく、イヌとかネコとかの名前がつけられて、初めて、イヌとかネコとかの実体があるかのように見えるのだ。科学は記述なしには成立しない。だから科学はパターンが人によって異なるのはあまりありがたくない。僕は、言葉を厳密に正しく使うことはよいことだと思う。
 その理由として第一に、厳密な言葉だと、曖昧な言葉よりも正確に相手に伝えることができるからだ。あれ、それ、これ、などの指示語を使うと何のことを言っているのかわからないことがある。例えば、森の中で「あの木」といってもほとんどの人はどの木をさしているのか全くわからないだろう。そのときに、光が当たっている木、一番幹が太い木、などの、示したいものの特徴を言えば、「あの木」といってもわからなかった人の多くは理解することができるだろう。また、別の例として、以前父からこんな話を聞いたことがある。会社で、「前向きに善処します。」というと日本人は断られたと認識するが、外国人にその言葉を言うと、受け入れられた、と思うそうだ。「お断りします。」といえば日本人も外国人も理解してくれるが、お断りします、というのは失礼な言い方だと日本人は思うのだと思う。さらに、このような例もある。ある会社で中国人が上司に「こうしたほうがいいんじゃない?」といわれ、やってもやらなくてもいいと受け止め、結局やらなかったそうだ。
 また、第二の理由として、曖昧な言葉だとコミュニケーションを取れなくなってしまうからだ。「日本在住外国人ビジネスマンに質問」によると、日本人部下と仕事をしていて苦労することは、日本人が他人との衝突を恐れること、が十三.八パーセントでトップとなっている(データ)。日本人は衝突を恐れ、不可能なことでも断りきれないので、それを見極めるのに苦労する、ということだろう。僕は将来自分の意見をしっかりといえるようにしたいと思う。
 確かに、曖昧な言い方をしたほうがよい場面もあるだろう。しかし、言葉を厳密に使い、相手に誤解を与えないようにすることがコミュニケーションをよくするための方法なのではないだろうか。

   講評   hamati

●構成:構成図・複数の理由:言葉を厳密に使うほうが良いと思う理由について、自分の周りの当てはまる事例をよく考えて書くことができましたね。日本のことを客観的に見ることができるのは、ショウ君が様々な国の人の考え方を知っているからなのですね。とてもすばらしいですよ。
●題材:データ実例・長文実例:「日本在住外国人ビジネスマン」の日本人についての感じ方のデータを引用しました。このようなデータを引用できるのも、ショウ君ならではですね。あいまいであることを「美徳」と考える日本人を、外国人は理解できない実情がよくわかります。厳密な言葉を使うことは、とても大切だということを、しっかり伝えるデータですね。
●表現:名言の引用:反対意見への理解を示したあとは、名言を引用しましょう。「すべてに効くという薬は、何にも、たいして効かない。」などが使えそうですね。
●主題:反対意見への理解・是非の主題:反対意見への理解を示し、自分なりの意見もしっかり書くことができましたね。ショウ君は、きっと自分の意見を、誤解を与えることなく伝えることができる人になるでしょうね。
●日本人的な「あいまいさ」に、あまりなじみがないショウ君ですが、お父さんに聞いた話や、諸外国の事情など、よく情報を集めて書くことができましたね。名言の引用がないのが惜しいですが、よくがんばりました。3月1週は進級テストです。次は1200字目指してがんばりましょう!



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