創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉の使い方   サニー

 日本では虹は七色である。しかし、リベリアのバッサ語では、虹は二色であるという。日本には、虹は七色という語があり、リベリアには、虹は二色と言う語があるのだ。多くの人は、世界にあらかじめ何らかの実体があって、それに名前をつけていると思っている。しかし、言語学者ソシュールは、犬とか猫とかの名前がつけられて、初めて、犬とか猫とかの実体があるかのように見えるのだと言った。しかし、科学はこれでは困る。科学は言葉がなるべく同一でないと困るのだ。AさんとBさんの記述が全く同じ記述である限り、全く異なる現象を意味していては困るのだ。言葉を正確に伝える、ということは科学の場ではとても大事なのである。<要約>僕は、言葉を厳密に言うことはよいと思う。
 その一つ目の理由は、曖昧な言葉では誤解を招くことがあるからだ。僕が、学校で国語の授業を受けているとき、先生がこんな話をしてくれた。
「友達と約束の変更をする為に、「今日はやめにしよう」とメールでA君が言いました。それを聞いたB君は大急ぎでお昼を食べて支度をして、待ち合わせの場所まで行きました。しかしA君は十分たっても二十分たっても現れません。怒ってB君は家に帰ってしまいました。翌日学校に行ってB君がA君を怒ろうとすると、A君は言いました。「ああ、あれは“今日は、やめにしよう”って言ったつもりだったんだけど、伝わらなかったかな?」そしてB君はとてもやりきれない気持ちになりました。」
僕は、このような経験をしたことはないが、学校の執行部で先輩と一緒にある文章を考えていたとき、僕が、
「〜だったら、僕は本望です。」
というと、先輩から思いがけない言葉が帰ってきた。
「え、“僕はホモです。”ってなによ。ッハハハハ。」
思わず僕も笑ってしまったが、これからこのような失敗があっては絶対にいけないなと内心思った。
 二つ目の理由は、厳密に表現すれば誰にでも解りやすいからだ。特に、理科の授業では、言葉による表現は大変重要になってきて、詳しく、正確に、それでありながらも端的に表記することが求められる。実験の様子のレポートを見た、全ての人が同じことを想像し、理解できるようでなければ困るのだ。厳密で誰にでもわかりやすい表記、表現をする技術は本当に大切で、難しいことだと思う。しかし、僕は、学校生活の中で、理不尽とも思える一見矛盾したことを人からたまに言われる。それは、
「そんな難しいこと言われても解らん。もっと簡単に喋れんの?」
と、よく言われることだ。例えば「良心、語彙、アイデンティティー・・・」というような言葉を使ったときに言われる。僕は、ただ、的確な言葉で厳密に端的に言っているつもりが、批判されてしまうのだ。確かに僕は、人より比較的オカタイ人間だ。しかし、だからと言って外国語を喋っているのではなく、(笑)きちんと日本語を喋っているので、理解しようとして欲しいと思う。なるべく正確に物事をつたえようとすると、知っている言葉を駆使することになる。だから、互いに理解を深める為には、語彙力を高めることが大切なのだと思う。
 確かに、曖昧な言い方で言葉を濁す方がふさわしい場面もあるだろう。何にでも「かわいい」と表現したり、「やばい」という言葉に代表されるように、曖昧な言葉を、発するときは、大体が直感的な理由での言動が多いような気がする。すごく良くても、悪くても「やばい」の一言で片付けてしまうのはよくない傾向だと思う。だから、僕は、ほとんどの日本人に通じる、厳密な言葉で話すように心がけている。「全てに効くという薬は、何にも、大して効かない。」という名言にもあるように、曖昧かつ、隠語的な意味深長な言葉を使うと、いろいろな言葉の捉え方があり、誤解を生むことがある。だから、僕は、言葉を厳密に言うことはよいと思う。これからも、僕は、厳密でわかりやすく、誰にでもわかるような言葉を使っていきたいと思う。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! 学校の試験も忙しいのにしっかりと長文を読んでテーマについての理由を考えてくれましたね。あいまいさ、いい加減さの中で葛藤するサニーくんの中学生らしさが感じられる意見文になりましたね。

 「要約」では工夫をして文章の核となる部分を見出すことができています、よく読んでいますね。「是非の主題」で「僕は、言葉を厳密に言うことはよいと思う。」と挙げて「理由一」で「曖昧な言葉では誤解を招くことがあるからだ。」とし、「体験実例」では国語の授業中に聞いたメールでの曖昧な伝達文についてや自分の使った表現が先輩に誤って解釈されたことについてていねいに書けています。「理由二」で「厳密に表現すれば誰にでも解りやすいからだ。」と挙げた後の「体験実例」では、理科の実験レポートでは見た人全てに理解してもらえる正確さ、詳細さが必要となると感じたことと、自分の言葉遣いに対する理不尽な一言を「その人らしい会話」で表すことができました、悔しい思いをされたのですね。「なるべく正確に物事をつたえようとすると、知っている言葉を駆使することになる。だから、互いに理解を深める為には、語彙力を高めることが大切なのだと思う。」と「途中の感想」もしっかりと表せています。「まるで宇宙人の言葉を聞いたように素っ頓狂な顔」のように「たとえ」も入れられるといいですよ。第四段落では「反対意見への理解」「名言の引用」「是非の主題」「これからの結び」と、四つのステップを書いて説得力のある素敵なまとめになりましたね。よく頑張っていますね!

 次は二月二十四日(火)に電話をします。清書の相談をしましょう。二月四週も長文は冒頭三百字の暗唱にチャレンジしてください。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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