国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   制御と量   かいろ

 自然と人間との間には量と制御に関する問題がある。昔の人々は主に戦後の被害もあって飢えで苦しむ人が多かった。人間はその飢えを解消するために大量に食料を生産し始めた。そして、人々が飢えから解放されると次は拡大解釈が始まったのだ。そして、技術が発展して行くのと同時に、その技術発展が人々により豊かな生活を与え、今日に至るのである。現代では、周りに物が満ちあふれとても便利な生活が過ごせるようになった。その一方で、核爆弾が開発された。核爆弾は簡単に言えば、ボタン一つで人間を含めた、多くの生物を一瞬にして消し去ることが出来る大変残酷な兵器である。これまで人間は、量の問題を重要視し、制御の問題を後回しにしてきた。それによって生まれた結果を顧みずに未だに量をおっている現代社会は問題だ。
 その第一の原因は、日本の近代化というものが欧米化していくことを目標にしてきたからだ。欧米化を目標とした日本はまず資本化や工業化を目指した。資本化は日本を競争社会にした。そしてそれは、現代に於いて、技術の発達とともに多くの商品を産みだし日本を便利な商品で満たした。そのような中、資本化により会社は、より利益を出すためにとにかく商品を生産するという思想がうまれた。その一つにはマンションについてがある。近年、不動産価格が上昇し、一時期、需要に供給が追いつかずにいたミニバブルから抜け出せず、不動産会社がマンションを建設し続けたために、今日では需要が冷え込み、売れ残りマンションが多くあるのだ。また、現代では制御に関心が向きつつある。近代化するにつれ、食料もとても豊富になっていった。しかし、当時と比較すると食べ物に対する選び方の基準が異なるのだ。昔の人はより安くて量の多い物を選んでいたのに対し、現代の人は高くても質の良い物を選ぶ傾向があるのだ。
 その第二の原因は、社会がまだ量的な評価の傾向を持っているからだ。職業を選ぶとき、会社を選ぶとき、主に選ぶ基準となるのは給料の値段だろう。就職活動を始め会社を選ぶ時期に至ったとき私もおそらく金額を見て決めるだろう。また、自然界では、稀に何らかの原因で生物が一時的に大量発生することがある。それは今まで成り立ってきた生態系を崩してしまうのだ。たとえば、食物連鎖といえば、下から順に植物などの生産者、草食動物、肉食動物の順番であのピラミッドの図を思い浮かべる。これは決して強い物が有利な立場にいるわけではない。生物をこの三種類に分類したとき、これらの量がうまく均衡することによって生態系が成り立っているのだ。
 確かに、量的な不足に苦しんでいる国や人々は大勢いる。職に就きたくてもつけない人や経済的に貧しく食料が十分でないため、ゴミをあさりその残飯を食料として生きている人など、世界中には量による不足で、国によってこんなにも大きな差があるのだ。しかし、近代化は量の増加に伴うのではなく、制御と量とがうまく均衡することによって起こるのであるというように、溢れる物を押さえることよりも未だに量を追求しているのは問題だ。

   講評   kira

 かいろさん、こんにちは。量を追求して、物が見えず数だけ操るような経済発展の一途をたどった結果が現在の世界不況です。各国の政府が不況対策という制御に懸命ですが、危機は去りません。増え続けることへの制御があるべきだったのではないでしょうか。

 原因として日本の欧米化意識を挙げました。確かに戦後の日本からみればアメリカのライフスタイルは眩しかったでしょう。大量生産に成功して右肩上がりの時代はバブル経済にうかれました。しかし今、深刻な問題を抱えるのは生産過剰になった業界、マンションなどの不動産、製造業ですね。
 量的な評価に傾くことでは、自然科学実例で生態系のピラミッド型のバランスを考えました。自然界は人間界と違って制御が働いているようです。大量発生した個体があれば、それを解消するように動いていきます。
 バランスの悪さは世界中に見られます。貧困や戦乱や教育や食糧、安全。もう量を増やして安心できる段階ではないようです。生産より制御、競争より協調の時代ですね。

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