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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マニュアル   青藍

 新たな発見をするためにも、マニュアル通りの安全なやり方ではなく、危険を恐れず自分独自のやり方をするべきだ。
 そのための方法として第一に、試行錯誤した過程をもっと評価することだ。
私たちは普段の生活の中で、つい効率の良さを求めがちであると思う。多くの試験では制限時間が設けられ、分単位で区切られた忙しいスケジュールの人もいる。時間に追われる生活の中では無意識のうちに、試行錯誤した過程を無駄なものととらえがちになってしまうのだろう。「結果」ではなく、「どのような方法で導いた結果」か、という点に着目し、結果を得るまでの過程の大切さを認識するべきである。
 また第二の方法として、マニュアルに頼るのをやめることだ。
旅行に行く際、多くの人がガイドブックを利用するだろう。実際私も、見所や交通手段をチェックするためにガイドブックを利用することは何度もあった。しかし、ガイドブックの案内通りの場所へたどり着くことを目的としてしまうと、旅先での思いがけない発見をし損ねる可能性があると思う。私は以前修学旅行で鎌倉に行ったとき、ガイドブックの案内に沿った計画通りにきっちりと散策をしたため、結局はその案内と全く同じものを見ただけで終わってしまった。やはり、旅をする際はマニュアルを手放して自力で歩いてみるべきであると思う。
 確かに、道順が分からないと困る、という意見もあるかもしれないが、違う道を通ることで、ガイドブックに載っていないような素敵な場所を思いがけず見つけられることもあるのだ。「人が旅行するのは、到着するためではなく旅行するためである。」という名言があるように、目的地に効率よく到着するための道ではなく、自分独自の道を行くべきだ。

   講評   hamura

 実例がきちんと入っていて、読み手にやさしい、分かりやすい文章です。
 「試行錯誤の課程を評価する」というのは、とても適切な意見ですね。この点に具体例があるともっと分かりやすいでしょう。主張がこのようにぴったりの一文で表せるのは、すばらしいです。せっかくのこの端正な意見をうまく基礎づけるためにも、実例は役に立ちます。
 学生ならではの、部活や勉強の例があるでしょうか? 実はこの例を見つけてくること自体、むずかしいです。自分のしてきたことの再評価、再確認にもなります。そして例を見つけようとしていたのに、結局見つからず、むしろ、「課程より結果」という結論に変わってしまうこともあるかもしれません。それも「重要な課程」ですね。行為を見当し直すということで、新たな味方、評価ができた、ということでしょうか。
 「きっちり散策したため・・同じものを見ただけで」と言うところは、おもしろいです。シニカルで、読んでいて笑ってしまいました。「本当にそうだ」と読み手が膝をついたたいてしまうような話は、読ませる魅力のある文です。



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