低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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一すじのあせ ひろみ
ありの行列がいっせいに、広い運動場のトラックの周りを走り出しました。
というのは、三十八人の黒い頭がありのように見えるのです。今日は冬とはいえ、とてもあたたかい日です。
トラックを私は、現在一周しました。その時、一すじのあせが流れ出しました。あと一周走ればゴールで
す。前にいる数人を抜かすいきおいで、スピードを少しずつ上げていきます。
三年生の時と比べて、ずいぶん足取りが軽やかになったような気がします。前は、二周目でかなり疲れて
いたのに、もう二周まであと半周です。前の数人とも差がだんだん無くなって来ました。私の体の中で、あ
るものがはじけました。だんだんあらくなってくる呼吸とは反対に、こうふんした気持ちが胸の上にまでつ
き上がってくるのです。しかし、体は、そうは自由に動いてくれません。一周目から、かなり速いスピード
で走ったのに対し、かめのようなスピードになったので、リズムがつかめません。
あと十メートル。たったこれだけのきょりなのに、とても長く感じられました。もう先頭は、ゴールして
います。そして、やっとゴールにたどり着きました。また、体の中であるものがはじけました。それと同時
に一すじのあせも流れ出ました。今度のは、うれしさです。完走した時のうれしさは、何にもかないません。
持久走の途中で歩き出した人もいましたが、その人には、きっとうれしさというプレゼントはもらえないと
思います。
もし、何のために体育をやるのでしょうかという質問があれば、体力づくりのためと、最後までがんばり
ぬくことのうれしさを学ぶためだと答えます。私は、次の体育でどんなに苦しくても、走りぬこうと思いま
す。スポーツ以外にも、一すじのあせを流しながら、やりぬきたいと思います。
私は、やりぬかなければならない明日のために、ふとんの中にもぐりこみました。
講評 muri
ひろみちゃんの作文を読んでいて、小学生のころの冬の長距離走のことをまた思い出しました。私は長距離走は苦手だったけれど、こんなふうに一生懸命走ってゴールするのは、気持ちよかったなぁ。 健康のため、犬のさんぽのとき、ちょっと走ってみようかなと思いました。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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