創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   緊張した演奏   ゆうたん

 「それでは、ピアノとフルート、よろしくお願いします。」
皆の拍手が終わると、私はピアノのペダルを踏んで踏みやすいかどうか確認してから、鍵盤に手をのせた。緊張でいっぱいだった。
 私は親戚の結婚式の披露宴で、姉はフルートで私はピアノで演奏をしたことがある。初めは、やるなんて思ってもみなかったから、母たちが
「ピアノとフルート合わせてやってみたらいいじゃない。」
と話していることは冗談で言っているのかと思っていた。しかし、本当に演奏の時間もとってくれたらしく、やることになっていた。私はピアノの先生に相談して、曲を2曲決めてもらって練習を始めた。先生にアドバイスをもらって毎日練習をして、なんとか音読みが終わった。しかし、今回はピアノ1人ではなく、フル一トとのアンサンブルだから1回間違えても、そのまま進めて続けなければ止まってしまう。そこが難しいところだった。でも本番に向けて、姉とあわせたりして、練習を何度もした。そしていよいよ本番。本番は普段ははかないワンピースなので、お腹が冷えないようにホッカイロを貼ってお腹を暖めた。式場は真っ白なところで、皆で「賛美歌」を歌ったり「アーメン」言ったりと、初めてのことばかりだった。披露宴のところに入った時も、たくさんのテーブルがありウキウキした。料理まで来て、私はあまり緊張はしていなかった。料理を食べたり、たくさんの人の話を聞いたりして、
「本当に今日やるの?」
と言いたくなった。しかし母が、
「この次だから音だししたほうがいいよ。」
と姉に言い、私に少し緊張が走った。そして、いよいよ
「そろそろ準備してください。」
と男の人に言われ、私と姉でピアノの所に行き、椅子の高さを調節して、姉も譜面台を立てて準備をした。
「では、いよいよピアノとフルートのアンサンブル、よろしくお願いします。」
皆の視線が私たちのほうに向けられ、私は緊張でいっぱいだった。緊張のまま、姉に合図をしてから鍵盤に手をのせた。息をたくさん吸って、私はピアノを弾き始めた。何度も練習していたので、大きな失敗もなく、姉もすんなりと吹くことができた。私は集中して演奏した。そして無事、演奏を終えることができた。私は、まるで手で引っ張った糸がようやく手を離されたように、緊張がほぐれた。立ち上がると、皆が大きな拍手をしてくれた。とてもうれしくて、やってよかった!と思えた。緊張はしたけれど、終わった後のほぐれた瞬間がとても気持ちよく感じた。
私の母は、就職のための試験が緊張したそうだ。就職のための試験で母は論文を書かなければならなかったらしい。母は論文が少し苦手で、何ヶ月も前から練習をしていたそうだ。そして、試験当日、どんな論文を書くのかはその時でないと分からないから、母は緊張したそうだ。でも、論文の内容は書きやすいもので
「これなら書ける!これをちゃんと書けば合格できる!」
と思ったそうだ。しかし、逆にもっと緊張してしまって手がふるえたそうだ。あまりにもブルブルとふるえていたので母が書いた論文の文字は、右利きの母がまるで左の手で書いたようなガタガタの文字になってしまったそうだ。文字はガタガタだが、満足のいく論文だったそうだ。そして母は見事、試験に合格したそうだ。
 私にとって緊張は、あまり良いものではない。しかし、まったく緊張しないのもどうかと思う。緊張しすぎると、いつもできたことも間違ってしまう事がある。だからと言ってまったく緊張しないのは、集中できないし、「間違えてもいいや」というような気持ちも少しあると思う。だから、緊張のしすぎも良くないしまったく緊張しないのも良くないと思う。多少の緊張感は必要なのだと思う。
 「素晴らしい演奏でした!!」
私は、緊張でいっぱいだった体が急に楽になるのがわかった。

   講評   onopi

 心理描写と情景描写がとても上手にできている作文です。いい作文が書けました。
     


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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