国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   昔話の教え   かまむ

昔話の中には、単に語ることから生じた表現の形式や民衆の文学であることから来る内容の普遍性というだけでなく、何かをもつ大きな力が隠されているような気がしてならない。昔話は、文学の元の形と言ってもよいものだから、そこには、人間が物語を生み出し、それを支えてきた心の動きや力のもとのもとが内蔵されている。昔話の持つこの不思議な力の本質を解き明かすことは、私にはとうていできないが、子どもの時代に、少しも昔話に触れることなく育ったら、文学を味わい、楽しむために必要な、何か非常に大切な要素が欠けおちてしまうのではないか、とだけはいうことができる。お話に興味を持つものにとっては、昔話は、絶えずそこに自分をうるおしにかえっていかなければならない泉のようなものだと思う。(要約)
私が小さい頃によく読んでもらい、誰もが必ず知っている本は “The Ugly Duckling”(みにくいアヒルの子)だった。その絵本の中身は、アヒルの夫婦が自分の育てている卵が割れるのを待っているところから始まる。そして、やっと無事に割れたと思ったら、みにくい子が出てくるのである。そのアヒルは、普通のアヒルみたいに、
「くゎ、くゎ」
とは鳴かず、
「はんくはんくはんく」
と鳴いたのである。まるであまいと思った食べ物がしょっぱかったようにびっくりしたアヒルの夫婦は困って追い払ってみにくいあひるの子はみじめになるのだが、最後は自分が白鳥の子だと知る。そして自分の兄弟と母と一緒に仲良く暮らす。この絵本では、見た目だけでなく、中身も大切だと言うこと、そして、最初はあまりよくなくても、後でどうなるかわからないと言うメッセージがこめられている。(似た話)(例え)
 昔話はたくさんある。ヘンゼルとグレーテル、赤ずきんちゃん、15少年漂流記、花さかじいさん、小公女、鶴の恩返し、三匹の子豚、マッチ売りの少女、はだかの王様、コッペリア、くるみ割り人形、などとほかにも数え切れないほどある。そしてその話の中にはほとんどいつもなにかのおしえがふくまれている。例えばイワンの馬鹿は、正直者が結局は得をするという話がある。自分が一生懸命働いたのに、働いていなかった兄達にくれと言われたとき普通なら、
「何であげなきゃダメなんだ?」
と言いそうなものを、簡単にあげた。馬鹿だなあと思うかもしれないが、それはこの世界の知恵で馬鹿である。なぜならそれはけんかをせずに済んだからである。そしてある意味悪魔に勝ったのである。イワンの馬鹿は悪魔と戦っていたことを知らなかったであろう。自分としてはただ正直にやってきただけである。ある意味イワンは馬鹿と呼ばれていたが、本当の馬鹿はイワンをそう呼んでいた人たちではないのだろうか。(調べた話)
 人間にとって、子どもの頃に聞かせてもらった話は、小さな勉強を覚えられるために作られたものだと思う。その昔話一つ一つに何かの教えが入っており、何かを学べる為にあるものだと思う。子供に何かを学び、その学びを大人になるまでを覚えて欲しいなら、主人公と人物を入れてその教えにそって話を作り、楽しくし、毎日読んでもらいたくなるようにしたら、ことわざにあるように、「好きこそ物の上手なれ」。きっと、確実ではないけれど、覚えてくれるであろう。(一般化)(ことわざ)

   講評   kamo


 作文に登場する昔話の数お多さに、まず驚きました。確かに有名な話ばかりだけれど、これだけバラエティーに富んだ実例を挙げることはできるのは、さすがかまむさん、というところだと思います。がんばったね。
<構成>
 要約、よくできています。内容も字数も文句なしです。
<題材>
 『みにくいあひるの子』は、お気に入りのお話だったのかな? 確かに今の自分に必ずしも満足していない子供にも夢を与える話だよね。そしておそらく100パーセント満足という子も少ないだろうから、ほとんどすべての子が、自分が大人になったらすごい美人になるような夢を見る……かもしれない^.^
 『イワンの馬鹿』についても詳しく書けた。「本当の馬鹿は……」というところがうまいまとめだね。
<表現>
 「まるで」がうまい! おもしろいたとえだね。
 ことわざも上手に入れました。
<主題>
 「人間にとって……」という一般化のまとめの立派にできました。そのとおりだよね。たくさんの実例が、この主題の説得力を増していました。
 以下は、間違いとまでは言えないけれど、直した方が自然だと思います。
 「勉強を覚えられるために」→「教訓を覚えるために」
 「学べる為にある」→「学ぶ為にある」
 「子供に何かを学び」→「子供に何かを学ばせ」

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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