国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   共同体的判断   ワンダフル魁

 今日の社会は、法的社会が普通の国家となっている。法的社会とは正直であることを重視した社会のことである。例えば、ある子供が事故を起こしたとする。もしその子の親が弁償しても、たまに、その子供のことを親が訴えるということが起こってくる。それに対して道徳的共同体意識は前者の例の場合だったら、子供の親はきっと事故のことを黙秘し続けるだろう。「論語」を記した孔子は、楚国というところで、自分の父の犯罪を証言した正直な(法的な)息子を批判した。我々の大半は、親といえども、犯罪は犯罪なのだからきちんと裁かれるべきという前者の考えが多いことだと思う。しかし、もし私がこの息子の立場だったらどうなっていただろう。きっと親のことを守ってしまうと思う。だから、私は共同体的な生き方に賛成する。
 そのための方法として第一に、法ではなく人間を見ることだ。私のクラスの整備委員(掃除の管理や校内イベントのときに最善な環境を整える委員会)は、掃除のときの規則が厳しく、エプロンしていないともう一週間、サボるともう一週間、だらけているともう二日‥など結構重い懲罰がある。私の学校は世で言うお嬢様学校だから、どんなときでも女の子らしくしようとさせているのだろう。だけど、エプロンをつけても、汚れるときは汚れるし、黒板掃除は背中側のほうが汚れやすい。だから、私は先生や整備員がいないで班長のときは、自己責任でつけたくない人はつけなくても良いことにしている。もう自分の考えで行動できるのだから、少しは“規則”に背いても問題はないだろう。それに、エプロンしないだけで一週間はきついので、皆のためにはなっていると思う。
 また第二の方法として、法を執行する人の人間性も大切だ。新撰組局長の近藤勇は心が広く、度量があり、みんなに好かれるタイプだったそうだ。そしてまた副長である土方歳三は鬼の副長と呼ばれるほど冷酷な人だったとされている(数々の文書による)。例えば、近藤さんが小さいころ家に泥棒が入った時のこと。彼はまだ子供であるにも関わらず、泥棒を捕らえようとしていた兄に「賊は、入ったばかりのときは気が立っているものです。むしろ立ち去るときの方が気が緩み、心が留守になるから、その隙に乗じましょう」といい、兄と泥棒を撃退したそうだ。この強さや冷静さに惹かれた隊士も少なくないはずだ。土方さんも「局中法度」を作り、新選組内部では、常に新選組の規律を隊士らに遵守させ、規律を破った隊士に対しては切腹を命じており、隊士から恐れられていたとされる。自らが嫌われ者になりながらも、近藤さんの背中を押していた。二人は常に新撰組のことを思っていたからこそ、仲間が犠牲になっても、仲間の介錯をするときもくじけなかったのだと思う。
 確かに法的な社会はすることが明確で分かりやすい。がしかし、「強くなければ寛大ではありえない。」というように、何事も“規則”だとか“法”と言っているのではなく、もっと人を見て、人の気持ちを重視するような社会にするべきだと思う。

   講評   hira

 より具体的に説得力のある内容で書くことができた。「もう自分の考えで行動できるのだから」を証明するように知識・思考・表現・文体の評価からなる森リンの点数も立派です。手間をかけて申し訳ありませんでした。
このまま清書にしてもいいくらいの出来で書けている。進級試験合格おめでとう!


<1回目講評>
 物事の善悪は場所や時代によっても異なってくる。まず自分自身で判断できるためには、人間について知ること、自分自身の人間性を高めることでもあるのだろうね。陪審員制度も賛否があるけれど、一人一人の意識改革につながる制度でもありそうだ。
■第一段落 ● 生き方の主題
 「もし・・・」と自分に引きつけて考えてから、主題に結ぶ流れがいい。
■第二段落 ● 複数の方法一 ◎ 体験実例
 これはなかなかリアルで面白い実例だ。掃除とエプロンと厳罰。納得感のない法だけが行き交っていることが問題なのだろうね。たぶん、エプロンはしなくていいというのがワンダフルさんの考えでしょう。なぜ、エプロンをすべきなのかも考えてみて、持論を展開するともっと面白くなる。
■第三段落 ● 複数の方法二  ● 伝記実例・長文実例 ◎ ユーモア表現 ● 詩の引用
 やはり得意分野があるとスラスラと書けるね。「心優しい」近藤勇と「鬼の副長」土方歳三、二人の人間性によって難しい場面でも組織として乗り切れたのでしょう。ある場面を取り上げて説明するとより説得力が出ると思うよ。
■第四段落 ● 反対意見への理解 ● 名言の引用 ● 生き方の主題
 名言と言いたいことが一致して、力強い意見が書けた。



※20日(金)は祝日のため電話指導はお休みです。振り替え授業やヒントを見ながら書いてみてください。
また、2月3週良くできていたので、山のたよりを参考にしながら、清書にしてみましょう。


毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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