創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間にとっての努力   さくら

 「ああ、やっと終わった。」
一月十三日。卒業試験・実技の家庭科が終了した。わたしの学校は小学校卒業前に筆記しけんのほかに体育のなわとび、バスケットボール、マット、図工の絵画、家庭科のボタンつけ、なみぬい、本返し縫い半返し縫い、刺繍、の実技がある。図工は苦手だが練習の仕様がない。体育はもともと好きである。問題は家庭科だ。わたしは細かい作業が苦手だから裁縫も苦手だ。でもがんばって練習すればできる科目であるから、試験まで一ヶ月、もうすぐ冬休みとなったころわたしはすこし遅れたが裁縫の練習を始めた。
 わたしは五年生のとき苦手だったため、裁縫を後回しにしてきた。そのときは問題なく過ごせたが今となって不幸がやってきた。「後悔」と言う文字しか頭にうかばなかった。なぜならボタン付けもまともにできなかったからだ。最初につけたボタンはまるでのびきってしまったばねのようにゆるくなってしまった。しかしがっかりしているひまもない。ボタン付け以外にも基本的な縫い方や刺繍の練習もしなければいけなかったのである。練習しているあいだは針が指に刺さって血が出てきたり、指の皮をぬってしまったりたいへんだったが、練習していくうちに失敗も減ってきてだんだんできるようになってきた。刺繍で花や自分が好きなキャラクターが作ることができるようになってきて最初はつまらないとしか思えなかった裁縫が「楽しい」と思えるようになってきた。試験一週間前、あの時すこし努力しよう、と思えてよかった、五年生のとき努力していればもっとよかった、と思いながら筆記の苦手科目である算数の文章題に悩んでいた。
 父にも昔なにかがんばったことがあると思い聞いてみると「音楽」だと言う。父は社会など暗記することとや数学や読解問題は得意だったが音楽はどうしても苦手で苦しんだそうだ。父はピアノなど音楽の習い事もしていなかったから音符も読めない状況だったから覚えようと必死だったらしい。例えば学校のピアノでⅠの和音の弾いてⅠはドミソでこういう音で音符にかくとこうなる、というふうに勉強したという。テストまでがんばってのりきったそうだ。わたしはピアノをならっているから父が
「音符が読めることは良いことだ。」
少しつらそうな顔で言っていた。
 あれからもう二ヶ月がたとうとしている。わたしはもうすぐ小学校を卒業する。あれほど辛くて苦しんだ裁縫だが何とか仕上げることができ無事最悪の点数は取らなくてすんだ。父もわたしもがんばって練習することはとてもつらいことだが、がんばったあとは気持ちの良い達成感が味わえるしいい結果が待っている。がんばる、努力は人間にとってつらく大変なことだが生きていけば必ずしなければいけないときがくるから大切なことである。
 「みなさんががんばった実技試験の作品をもう一度回収します。それと筆記試験を返します。」筆記試験はどうだったのだろうか。
(書き出しの結び)

   講評   jun

 試験には、準備のできるものと、ほとんど準備のできないものとがありますね。家庭科の裁縫は、確かに練習をすれば少なくとも以前よりはうまくなりますよね。「後悔」という文字を頭に浮かべたまま取りかかったボタンつけ。「まるでのびきってしまったばねのように」というたとえは、悲惨な状況をうまく表しています。指の皮をぬってしまったことは先生もあります。でも、刺繍を「楽しい」と思えるようにまでなったとは、文字通り血のにじむような努力の甲斐がありましたね。
 お父さんに取材した話もたっぷり書くことができました。みんな、それぞれ苦手なことがあって、それを努力で克服しているのですね。
 努力の大切さを改めて学んだことがさくらさんにとっての卒業試験だったのかもしれませんね。

☆彡 無事に合格です。間に合ってよかったですね。おめでとう! ☆彡
                             

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