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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人と直感   ニンジンスキー

 日本人はうるさいことは嫌いだという。ごてごてしているのはおもしろくないと感じる。こういう傾向が言語に影響しないはずはない。こまかいことは省略してしまう。それがわからぬのは野暮だとして相手にしない。のけ者扱いされるのは誰しも好むところではないから、お互いに以心伝心の術に長ずるようになる。道筋を飛ばして結論を出す。結論は相手の想像に委ねて、さりげない話でお茶をにごす。私は理屈よりも直感を尊重するのは良いと思う。
 その理由は第一に、個人の考えが尊重されるからだ。詩歌にあまり触れたことのない私だが、あるときに、ひとつの俳句を覚えた。
「古池や 蛙とびこむ 水の音」
私が今でもこの句を覚えているのは、簡潔で、美しい句だと感動したからだ。この表現方法は日本人にしか通じないと思う。この句と出会ったのは何かの文章の実例の中だったのだが、その実例とは、この句を外国語に訳しても、外国人には
「で?」
と言われるだけだというものだった。日本人はこの句の中から、視覚的に美しい自然の情景を思い浮かべたり、聴覚的に水のはねる音を思い浮かべたりと、十人十色の反応をする。それは、短い文章の中から思い浮かべるという習慣ができているからで、その習慣などまったくない外国人は思い浮かべることもせず、その先を求める。日本人にとってはどう感じるかは自由なのだ。そのまま自分が考えたとおりに受け止めることができる。これほど良いことはあるだろうか。
 その理由は第二に、言葉では伝えきれない心理的なものまでも伝えられると思うからだ。例えば何か体験したしたことについて話すとき、必ず語尾に
「ねっ?」
とつく。その一言だけでそのとき感じた気持ちを共有することができる気がする。「悲しかった」や「うれしかった」などの言葉では表しきれないものも伝わる。どんな言葉よりも簡潔で理解してもらえる。「10代のストレス解消法(コニカ)」、「40代のストレス解消法(コニカ)」というデータによれば、上位3以内に「長電話」と「友達と会話」が入っている。やはり心理面で理解してもらうことほど人にとってうれしいことはないのだろう。
 確かに理屈で語ることも大事だ。政治などの大事な用件を伝えるとき、
「後はご想像にお任せします」
などといわれたら困るだろう。しかし、「自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない」という名言のように物事を心で感じるのは大切である。だから私は直感は大切だと思う。

   講評   hira

 どこへいってもほぼ四季があり、同じ文化を持っている日本人同士だからこそ通じ合えるコミュニケーションのあり方なのかも知れません。そういえば、もうすぐ桜の季節ですね〜。横浜方面はもう咲いたかな?
■第一段落 ● 是非の主題
 「私は理屈よりも直感を尊重するのは良いと思う。」比較しながら意見が述べられた。
■第二段落 ● 複数の理由 ◎ 体験実例
 「個人の考えが尊重されるからだ」を俳句の例で説明できた。十人十色と書いてくれたように、どこかに共通する思いもありつつそれぞれの思いを味わえる、それが人間の豊かさでもありますね。
■第三段落 ● 複数の理由二 ● データ実例・長文実例 ◎ ユーモア表現
 実例もデータも滑らかに使えている。
■第四段落 ● 反対意見への理解 ● 名言の引用 ● 是非の主題
 「政治」でユーモアを入れつつ、「物事を心で感じる」と直感の意を言い換えてまとめたのも上手い。

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