国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   報道の在り方   紫式部

 日本における言論の自由は世界で例を見ないほど保障されている。しかし、一見自由を謳歌している日本の言論機関、つまり新聞やテレビ、マスコミは驚くほど画一的で、その立場を利用して少数意見の抹殺や世論操作を行っているのではないだろうか。そしてそれは売れることを前提とした商業主義や視聴者の中毒的欲望を満たすための刺激的でドラマチックな演出が背景にあるのではという。この事から作者は日本のマスコミに対して、マスコミ機関のモラルと規範を律し、事実を正しく伝え、明白な警鐘と提言を行って欲しいと述べている。
人というものはスキャンダラスな記事が大好きだ。例えば私も新しい芸能情報を手に入れるとすぐに友達とその話題で盛り上がったりする。うわべの華やかな世界の裏に過剰な商業主義が隠れている事を知りながらも、私たちはそれに乗せられ、それを求めるようになった。日本のマスコミは過剰な商業主義を反省し、報道のモラルを見つめさおすべきだ。と同時に、視聴者側の事実を見極める目を養うことが大切だ。
 第一の方法として、マスコミの情報をただ取り入れるだけでなく、警戒の目も持ちそこから何か考えることだ。昔からテレビ番組には「ドッキリ」という人気企画がある。主に芸能人がターゲットで、巧妙なわなを仕掛け、だまされた人の反応を楽しむというものだ。その種の番組を見ている時は、ターゲットにされている人を可哀相だと思いながらも、ついついチャンネルを変えられないでいる。しかし、ただそれを見て笑っているだけでいいのだろうか。その番組に苦情の電話を入れろとか、そういう事は言っていない。その環境に慣れてしまうことを恐れなくてはいけない。また、世の中に出回る、情報をただただ鵜呑みにするのではなくここにはこう書いているけど本当にそうなのだろうか。という疑う姿勢も持ち合わせなくてはいけない。実際、情報誌の書き方はセンセーショナルで客の目を引こうと、多少大げさで、商業戦略だ。それに乗せられない見極める目を持たなくてはいけない。
第二の方法として、マスコミの報道機関にもチェック体制を設けることだ。この前ふとインターネットをしているとある記事に目が留まった。それはある報道ニュース番組内で証言した男の供述が実は嘘で、そのために疑いをかけられていた団体が番組に対して訴訟を起こしたという記事が乗っていた。それは番組側が裏を取る手間を省いたために起こった。報道番組が訴訟を起こされるというのは極めて異例なことで、記事にも番組内で嘘が見抜けなかったのかという疑問が突きつけられていた。人が悪い事をしたというネタは、人の不幸は蜜の味とも言うように視聴者を集める蜜になる。しかし、マスコミの役割は、現在の世の中を客観的に伝える事や社会に対し危機回避の役割をはたす、または個人に対し正確な知識や情報を提供する事にある。今の日本のマスコミはその軸がぶれ、客観的な目線からかなり外れている。報道機関に関わる人たちは今一度マスコミというものの役割を見直し、誤った情報を流さないためのチェック体制は欠かせない。
確かに、マスコミは支持率が命であり、支持者を獲得するための試行錯誤も必要だ。しかし、マスコミが世間に与える影響力の大きさを考えると正確な情報を国民に与える事が不可欠なのだ。一方取る側の私たちには、何が正しくて何が間違っているのが見極める目が必要だ。だが、目の上のたんこぶは取り除かないと、物事を見誤ってしまう、受けても判断基準を持つことがマスコミにすえる灸となるのだろう。

   講評   kira

 紫式部さん、こんにちは。日本は報道の自由があると言われるのは良いことですね。報道には人々を啓蒙し教育したり、足元からの意見を育てていく働きがあります。その反面、低俗な内容ややらせが起こったり、偏った意見で扇動してしまうという危険も併せ持っています。
 紫式部さんが疑問をもった「ドッキリ」番組も、明るい笑いの域をこえると陰湿な雰囲気さえしてきます。番組が与える影響を広範に考える必要がありますね。私たちが無防備な情報の受け手になるのも危険です。
 また視聴者がメディアに参加するかたちのものが増えてきた今は、提供される情報源についてもチェックが必要ですね。立場が違えば事実も違って見えるものです。あやふやな情報で混乱を引き起こしたら、いくら責任者が引責してもその傷は治せません。
 「受けても判断基準を持つことがマスコミにすえる灸となるのだろう」はいい指摘ですね。情報化が進めばすすむほど、求められるのは受け手の成熟でしょう。そしてメディアも新しいかたちを模索していくべきですね。

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