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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マイホーム   カンテーレ

 ぼくの家では、家族全員が一緒にいる時間がすごく少ない。なぜなら、ぼくは週五回のサッカー。そして父さんは単身赴任で二週間に一度しか家に帰ってこないからだ。母さんは、
 「父さんは仕事だけど、あんたは遊びみたいなもんやから、もうちょっと休みなさい」
と、よくぼくに言う。でもぼくはサッカーが好きだし休むつもりはない。そんなぼくも来月からは中学生になる。なので、サッカーばかりしているわけにもいかない。でも、サッカー部には入りたいので、クラブが終わってから週四回の塾に行くことにした。サッカーは朝練も試合もあるので、余計に家にいる時間が少なくなる。月、水、木、金曜は午前六時半から午後十時頃まで家にもどらない。塾のない火曜日も午後六時まで帰らない。土、日曜の休日だって、サッカーの試合で朝からいない時もある。こんなハードな毎日になるので、体がもつか心配だ。この事を考えると、家族全員が家にいる時間はさらに減りそうだ。
 こんな生活なので家族全員が一緒にいる日は貴重だから、家族全員で遊ぶ。それは、トランプ、Wii、パズルなどさまざまだ。そしてこんな時間を増やせるように、ぼくの家では「サービスデー」というものをつくった。それは次の日に学校がない金曜と土曜の夜は、少しだけ長く起きていてもよいというものだ。父さんが帰ってくるのは週末なので、この作戦はバッチリだ。
 でも普段は厳しい母さんがなぜ「サービスデー」をつくってくれたかというと、おじいちゃん、つまり母さんのお父さんもアメリカに単身赴任していて、お父さんと会えない寂しさを知っていたからだ。もっともおじいちゃんはアメリカで、父さんは東京。おじいちゃんとは一年以上会えなかったこともあったらしく、ぼくとは少し立場が違うのだが。でもぼくは一番上の子どもで、母さんは二番目。ぼくの場合、父さんに
 「弟を頼んだぞ」
と言われるのだが、母さんの場合は何も言われず六つ上の兄さんに任せておけば良かったと聞いて、母さんは楽で良かったんだなとも思った。でも、母さんはぼくより寂しかったんだとも、家族全員でいる時間がぼくよりも大切だったんだなとも思った。
 マイホームとは世界でゆい一家族全員が遊んだり休んだりできるところだろう。家族次第で一緒にいる時間は違うが、安心して休んだりできるのはやはりマイホームだけだと思う。そしてお金が十分あり、お父さんが単身赴任していない家は良いなぁとも思ってしまうのだ。そんな時は、自分は自分、他人は他人、と思ってすます。衣食足りて礼節を知るとも言うし、父さんが働いてくれて衣食が足りているので、ぼくは人よりも礼儀が正しいのだろうか。今言ったように衣食は足りているので、うちの家族はそこまで貧乏なわけでもないしぼくは幸せなのだろう。今ぼくがサッカーをできているのも、この作文教室に通えているのもがんばって働いてくれている父さんのおかげだと改めてわかった。

   講評   hira

 「マイホーム」という題名が印象的でした。丁寧に段落を書き進め、だからこそ主題もその通りだなと感じさせる内容で仕上げられたのだと思う。6年最後にふさわしい立派な出来です。しっかり、勉強して、好きなこともして、自分を活かしてお父さんのように活躍できるよう、今を楽しみ、頑張ってね! 本を読むように、国語の問題文も楽しんで下さい。そして、自分の経験と照らし合わせて、より考えを深めていって下さいね。期待しています!
■第一段落 ◎ 書き出しの工夫/作文
 カンテーレ君の家族、またこれからの自分の状況を詳しく説明することが出来ている。4月からは帰宅がほぼ十時・・・お父さんもびっくりな忙しさになるのですね。でも、自分で選んだ道であることがひしひしと伝わってきた。たくましい。
■第二段落 ◎ 体験実例 ● たとえ
 いい作戦だね。忙しいと意識しているからこそ、密度の濃い時間を過ごせるのだと思うよ。「サービスディ」ネーミングもまたいいね。
■第三段落 ● 前の話聞いた話 ◎ ユーモア表現
 お母さんはさらにお父さんと遠い状況で子ども時代を過ごしたのですね。その中で、一番目の子どもとそうでない立場の違いを見いだしたのも興味深い。
■第四段落 ● ことわざの引用 ● 一般化の主題
 今回も「マイホーム」に関して自分なりの考えを深め、まとめられたね。

「出稼ぎ」と思っているのですかね(笑)。中学生で作文をはじめて、密度の濃い文章を書けるお子さんは、読書好きか何か好きなことに打ち込んでいるように感じています。恭平君はそのままでバッチリです。好きなことを実現するために努力する道を自分で選べるなんて素晴らしいな・・・とまた我が子育てを振り返らされています。たくさんの学びがご一緒することで感じられました。ありがとうございます。どうか、お元気で! 

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