国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   長所も短所も個性   ばとん

私の長所は明るいところだろうか。初対面の人ともすぐに話せるし、相手がどんな人であっても、笑顔で対応できる。また、自分の意見をきちんと相手に伝えられる。よく、「ノリが良い」と言われるが、友達とワイワイ騒いだりするのが好きだ。ところが、長所は得てして短所ともなる。「ノリの良さ」が裏目に出ることは少なくなく、先生に怒られるほどに騒いだり、周りにいる他人のことを気にかけず、電車の中で大声で話してしまったこともある。
 確かに、長所を伸ばすことは大切である。長所を伸ばせば、それは、他人とは違ったオリジナルのアピールポイントになると思う。褒められると伸びるタイプの人間は数多くいるが、まさに私はそのタイプだ。小学2年生のときに、学年で一人代表者が選ばれ、その人の作品が市の硬筆コンクールに出される機会があった。私は運良く、その代表者に選ばれ、毎日放課後学校に残り、硬筆の練習に励んだものだ。長所を誰かに認められると、皆嬉しくて、それを伸ばそうと努力するモチベーションが上がる。
 しかし、短所を直すこともまた大事である。小野道風という人は、自分の才能のなさに自己嫌悪に陥り、書道をやめようかと真剣に悩んでいる程のスランプに陥っていた時のこと、ある雨の日散歩に出かけていて、柳に蛙が飛びつこうと、何度も挑戦している様を見た。そのときに、「蛙はバカだ。いくら飛んでも柳に飛びつけるわけないのに」とバカにしていた時、偶然にも強い風が吹き発心し、柳がしなり、見事に飛び移れた。これを見た道風は「バカは自分である。蛙は一生懸命努力をして偶然を自分のものとしたのに、自分はそれほどの努力をしていないと」目が覚めるような思いをして、血を滲むほどの努力をするきっかけになったという。
 長所を伸ばすことも、短所を克服することも大切だ。しかし、最も大切なことは、自分自身をよく見つめ、向上させることである。先日たまたま見たテレビ番組で、世界最小のボディビルダーの男の人が紹介されていた。彼はわずか二歳児並の身長しかないが、その短所を活かし、小さいながらもダンスをしたり、サーカスで活躍しているそうだ。朝の来ない夜はない。短所ばかりに目を向けて悩むのではなく、自分の個性を活かして、自分らしく人生を歩むべきだ。

   講評   hota

 今回から、ばとんさんは中2の課題となりました。この課題は、相反する2つの意見をとりあげ(意見AとB)、どちらも一理あると認めながら、しかし最も大切なことはそのどちらでもない(AでもBでもないCである)という「総合化の主題」を書きます。「総合化の主題」のポイントは、Cが、AやBと全く違うものになっていることです。そうしないと、いつも「AとBを使い分けることである。」という「総合化の主題」になってしまいますから。

 今回、初めてなのにこの課題がほぼ完璧に書けていました。さすが。第2の意見で、小野道風の例(こういう実例を「伝記実例」といいます)を入れたのもよいですね。

 最後の結びのところだけ、このままでは「長所を伸ばす」の第1の意見が結論のようにも読めるので、「長所ばかりに満足することもなく」という一節も入れておいては。

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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