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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   現代人   きうい

 人間は技術の発展に伴い、ありのままの世界を、人間にとっての世界へと転化して自己の可能性の領域を拡張してきた。ふつう死は、心臓が停止した時と定義されるが、脳が先に機能停止に陥った時、それを抑止するテクノロジーの介入によって、生を手放しながらなお死を中断された、ある種の中間身体が作り出されるのである。脳死を「みなしの死」として、臓器移植を行うかどうかという問題は、人体の「資材化」という非人間的な行為の上にある。人間がその行為を欺瞞なしに受け止め、自分たちが身体的存在だということを理解しなければならない。一人一人が「人間らしい」態度と、最新のテクノロジジーにおいていかれないだけの倫理観が必要だ。
 第一の方法は、現実の問題に対して、その根本的な内容を探ろうとするべきだ。例えば、高校二年生になると勉強があるから今まで続けていた部活を最後までやらずにやめようか悩む人が出てくる。しかし辞めてしまったことで、今まで多くの時間を部活というものに費やし、その仲間と共通の時間を過ごしていたのに、自分だけの閉じこもった空間の中での勉強のための時間になってしまうわけだ。途中で部活をやめた人は心の支えが無くなり無気力になり、勉強に対してもやる気が無くなったと言っていた。部活のために勉強時間が無くなっているわけではなく、自分でその時間を作ればよい。何も自分の心の多くの部分を占めていたものを、削ってまで、生活を変えようとする必要はない。
第二の方法は便利なもの、合理的なものに翻弄されないことだ。例えば、日本人とビジネスをする外国人は、日本人はとても礼儀正しくて、品がいいが、他人となると挨拶もろくにしないので、びっくりするらしい。自動ドアばかりになってしまった都市では、手で開けるドアがあっても、後ろから来る人のためにドアを開けておくという心掛けを忘れてしまったり、携帯電話でのコミュニケーションに慣れてしまって、顔と顔とを合わせての会話になるとうまくしゃべれなかったりする。人はどうしても便利なものに依存してしまいがちだが、本来の人間としての能力や品格を忘れてはいけない。
確かに、勉強は大切な学生のやるべきことの一つであるし、都市は人だらけでいちいち一人一人に挨拶なんてできない。しかし、人間らしさとは、ただ能力や感情が備わっているということではなく、その能力や感情をフル活用することに意味があるのだ。本来あるべき人間としての能力を忘れて、忙しい生活に追われて、感情を薄くしてしまうのではなく、発達した社会に合うだけの能力や感情を、時代とともにまた学習しなければならない。

   講評   kira

 きういさん、こんにちは。科学の進歩が人間の精神的な成長を上回ってしまった弊害が、今の社会の問題になっています。医学のうえでの倫理の問題としてよくとりあげられますが、そこだけにとどまらず、身近なことで言えば、インターネットに依存してよいのかどうかといったことも、科学対人間の力関係の問題なのです。人間的な成長がのぞまれますね。
 そのためには根本を考える姿勢が大切だと考えました。何のためにそうしてきたのかをもっと思うことですね。部活をやめるかどうかは、自分の目標への価値観の問題でもあるし、信念やこだわりの問題でもあり、人間としての強さを問われます。
 また、どんなことでも効率重視の資本主義的な考え方をしていると、日本人らしい品格を欠くようにもなりかねません。社会は合理化することを求めてきますが、それが人の命の問題に関わってくるのも危険です。モラルを高める必要がありますね。
 さいごのまとめの段落では、テクノロジーに優る精神力・モラルが必要と「主題」を明確にすること。それにともなって、反対意見への理解も、テクノロジーの進歩への理解にするとすっきりしそうです。


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