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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マジック=本の方程式   如月 沙良

 現代の娯楽を挙げると、ゲーム、テレビ、etcを思いつく人が多いのではないだろうか。そして、この中に読書という言葉が思い浮かばなかった人も多いのではないか。読書を、娯楽と考える人が減少していると私は感じる。確かにゲームやテレビは娯楽だ。番組は面白いし、ゲームのキャラクターは可愛い。しかし、読書はこれらの娯楽とは違い、心の娯楽なのである。例えば、働きっぱなしで心が窮屈になった人が、詩集を読んで優しい心になったとか、そういう事実もあるのである。読書は、思えば身近にあるのになかなか気付かなくて、でも非常に優れ物なのである。しかし、こういった読書の美点が現代の娯楽の一つとして数えられないことに、私は疑問を感じる。
 読書というのは、手軽で自分の思うままに収納したり持ち運んだりできるものだ。それに、本には挿絵があまりない。「ない」ということは、活字だけで頭の中で想像力を働かせるということで、読書をするというのは頭にもいいのだ。ゲームやテレビは画像が付いているから、脳が考えることをぴたりと止めてしまう。それに、テレビは番組を次々と変えることができる。しかし、本は最初から最後までみっちりと読みきらなければ、その本を完全に理解したとは言えなくなる。しかし、大概の人は本を読み始めるとまるでカーチェイスのように止まらなくなるはずだ。それだけの魅力が本に秘められているのだ。紙と文字。それのみで、読者を笑いの世界に突き落とし、時には悲しく感じさせ、時にはスリルを味わわせ、時には自分がその場にいるように錯覚させる。どんなマジシャンがやるマジックより、ずっと鮮やかなマジック。そう、本はマジック。マジックなのだ。読者には決して見抜けぬマジック。読者の心をいとも簡単につかんでしまうマジック。本をマジックと言い切れる。その言えた暁にはきっとだれしも本のスペシャリストになっているはずだ。
 私は本が大好きであるが、ひとつだけとっつきにくい本がある。指輪物語だ。活字だらけで頭がくらくらするだけではなく、私にとっては文章が硬くて想像力が湧かない。しかし前に、王の帰還というDVDを見たのだが、想像以上にストーリーが分かりやすく、指輪物語の王の帰還だけは本でなんとか読めるようになった。王の帰還が読めたのは、画像の手助けがあったから他ならない。だから私は、この本を完全に読んだとはとても言えないし、いつの日か、指輪物語完全制覇を目指したい。このような気持ちを育めたのも本のおかげだ。本当に本は、マジック。
 人間にとって本は心の栄養であり娯楽だ、そして私たちは本の素晴らしさを未来へ伝承していかなければならない。未来永劫。

   講評   inoko

 如月沙良さん、こんにちは。
読書のすばらしさは、やはり自由に想像できるということ。それが苦手だという読書嫌いもいるようですが、きっとそのような人は、ひとりでに自分の想像力がかきたてられるような書物に出会っていないだけなのかもしれません。なんという不幸。
指輪物語のことを書いています。いわゆる翻訳物のおもしろさは、翻訳者の力量に委ねられることも多いものです。たとえば「星の王子様」 このところ、新訳が何種か出版されたようですが、以前の訳書にはなじめなかった人でもすんなりと「星の王子様」の世界に入ることができたと言われます。沙良さんにとって、指輪物語の訳が合わなかったと言うことなのではないでしょうか。
心の娯楽。いい言葉ですね。読書を義務だと考えてしまうと苦痛以外の何物でもなくなってしまいます。しかし、楽しい娯楽の一つととらえることができれば、これほどすばらしい娯楽はほかにないかもしれません。心が置き去りにされてしまうような現代社会こそ、心にたっぷりと栄養を与えてくれるような心の娯楽が必要なのだと思うのですが。



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