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　　　数年前、森林関係の研究所に（感）　　　まいう

□木の商品価値を高めることが木を侮辱することであってはならない。木が本来もっている価値を生かすことと商品として木を高く売ることは必ずしも一致しない。山の木を単なる商品にしてしまわないためには職人的な腕が必要である。美しく大きく森を育てていこうとする村人の腕や、製材職人の腕、木の特性を生かしていこうとする大工の腕などが健在である間は、木と人間は一体化して木の文化をも作り続けることができる。 これに関連して、物の価値をお金に換算せずに考える方が良いと思う。「是非の主題」
□その第一の理由としてはお金に換算せずに物事を考えると、その物の本当の良さが見つかるからである。「複数の理由一」道端に咲いている可憐な花に値段をつける人はいない。貨幣価値はなくとも、道端の可憐な花に季節を感じたり、心豊かにしたり、あるいは生命力の強さを感じ勇気づけられたりする。「体験実例」何でもお金に換算するのではなく、経済的な価値から離れて考えるとその物の持つ本当の良さが見えてくる。
□また第二の理由としては、お金に換算して物の価値を考えると、その物の本当の価値が見えなくなることがあるからだ。「複数の理由二」極論すれば貨幣価値が低いものは不要なもの、悪となるが、果たしてそれは正しいことであろうか。特に思いやりや気配り、信頼性といったものは見えないので貨幣価値はつけがたいが、不要ではない。大切なことである。また店頭などで商品を購入する場合に、ぶっきらぼうな態度の店員や商品説明の信頼性を疑いたくなるような店員からよりは、感じのいい店員や商品説明に説得力があり信用できそうな店員から心情面も考慮に入れた購入を検討することもあるであろう。世の中人間関係が希薄化してきているとは言え、血や心の通ったサービスをまだまだ人は必要としているのである。お金に換算して考えると、ほとんど価値のないような物でも自分にとっては大事な物が必ずあるはずである。お金に換算して考えるとその物の持つ本当の良さを見失ってしまう場合がある。鰯の頭も信心からということわざもあるように鰯の頭でさえ信仰すれば非常に尊いものに見えることもあるのである。「ユーモア表現」
□確かに、物の価値をお金に換算して考えるとわかりやすい。「反対意見への理解」しかし、『自分の心のうちに持っていないものは何一つ自分の財産ではない』「名言の引用」という名言があるようにお金には換算できない物の価値というものも大事にするべきだ。「是非の主題」貨幣価値でない、ものの価値を理解する気持ちこそが本当のお金の価値、ものの価値がわかるのではないだろうか。

　　　講評　　　suman

　今回も、全項目をクリアし、しっかりとした文章です。　　　　　　　　　
　　　　　　　　　　
　「複数の理由二」で書かれた「店頭などで商品を購入する場合に、ぶっきらぼうな態度の店員や商品説明の信頼性を疑いたくなるような店員からよりは、感じのいい店員や商品説明に説得力があり信用できそうな店員から心情面も考慮に入れた購入を検討することもある」というのは、わかりやすい例ですね。私自身、電化製品を購入する際、商品のことをよく知り、その商品への愛情すら感じさせるような販売員に好感を覚えたことがあります。その日は即決できず、後日その店舗を再訪した際に、その店員さんを探して購入しました。「物＋心」で、お金には換算できない大きな価値が生まれますね。　
　最後の文は、「ものの価値を理解する気持ちこそが」→「物の価値を理解する気持ちを持ってこそ」とした方が、スムーズにつながります。