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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   私たちの言葉   月下

 島国言語の特色のひとつは、相手に対する思いやりが行き届いていることである。ヨーロッパの言語では、自と他の対立関係において言語活動が考えられるが、島国言語の日本語ではそういう関係はあまり発達しない。「私ども」とか「手前ども」のように、第一人称の単数か複数かはっきりしないような用法があり、それが何とも言えない味わいをもって受けとられるが、ヨーロッパの言語に慣れた人々からみると、とても不明瞭な言語である。日本語の人称を表す言葉は沢山ある。島国言語のもうひとつの特質は、話の通じがたいへんよいということだ。だから、お互いに野暮な人間はいない。日本では、普通は家族の間で行われるような言語活動の様式が社会に広く認められる。だから、大陸言語に比べると、日本語は冗語性が少ないのだ。
 島国言語は相手に対する思いやりが前提となっていて、短い言葉でも通じ合えるという良さがある。例えば学校等で友達としゃべるときなどに、あだ名など友達の中でしか通じない言葉もあるだろう。例えば、友達の名前を呼ぶとき、私の友達の場合は、女子なのに男子のような名前でよんでいる。その理由は、もしそのこが女の子ではなくて男の子に生まれていたときの名前をあだ名として使っているからだ。こういったあだ名なども仲間内にしか通じないだろう。
 しかし、正しい意思疎通をするためには大陸言語の方が適している。日本語等の島国言語では誤解が生じるからだ。日本語の「善処します。」「努力します。」などは全て「NO」をあらわすが、ヨーロッパ言語ではそれは「YES」である。そういう言葉のギャップのせいで、なんで「YES」といったのにちゃんとしてないんだということになってしまう。
 確かに島国言語にも大陸言語にもそれぞれ良さがある。しかし、いちばん大切なことは、『トランプが生きているのは、それが実際のプレーに使われているときである。』という名言があるように、それぞれの言語の特徴に合った使い方をすることであるだろう。

   講評   kira

 月下さん、こんにちは。ふだん何気なく使っている私達の母国語である日本語は「島国言語」という特徴を持っているのですね。説明を重ねるのではなく、理解しあえる部分を肯定するもの、省略が多く、相手に委ねる思いやりのある言語です。
 友だちどうしの、気のおけない会話では省略語がひみつの合言葉みたいに活躍したりします。男の子のようなあだ名って、おもしろそう。月下さんは、どんな名前になっているのかな。それによって、より親密さが増すのですね。
 しかし、島国言語のよさを改めて意識させられるのは、大陸言語のあり方と対照するときです。近年、ますます国際化が進み、日本の中にも文化やものの考え方の多様性が認めれるようになりました。また、近代化のスピードも速く、理解するためには正確な説明を要するようにもなりました。日本ではわかりきった否定の仕方が、外国の人に通じていないのを見すごすわけにはいきませんね。
 今の時代において、私たちはすでに「島国言語」と「大陸言語」の良さをうまく使い分けているのかもしれません。

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