創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   読書の世界   かせり

 読書で一番大切なのは、何を読むかではなく、夢中になって読むことだ。一度、夢中になるという体験をしたら、あとはその面白さの内容を高めるだけでいい。それからは読書の本能というべきものが自分にぴったりした本を探してくれる。現代は、テレビや映画のほうが読書よりずっと面白い、という人もいるが、テレビは私たちを自分の外へ引き出すだけだ。反対に読書は自分の中へ引き戻してくれる。同じ内容でも、読書は想像力の翼に乗り、自由感を与えてくれる。私は、何かに夢中になれるような人間になりたい。
 第一の方法としては、最後までやり遂げようという強い意志を持つことだ。私はどちらかというと、ノンフィクションよりフィクションのほうが好きだ。ありえないようなものでも、物語の中では存在することができる。しかし、ノンフィクションだと、現実的で、私にはつまらないと思えた。しかし、私はある夏に、アンネ•フランクの日記を読んでみることにした。学校やテレビで、第二次世界大戦のことをよく耳にしたからだ。初めは、これで感想文を書いたら先生や親に褒められる、としか思っていなかったが、いざ読み始めると寝る間も惜しんで読んだ。空飛ぶじゅうたんも魔法の杖もなかったが、私はアンネ•フランクの世界に入り、閉じ込められてしまった。ご飯のとき以外はこの本を読んでいた。それからは、ノンフィクションにも目を向けるようになった。実際に起こったことも、空想の世界も、どちらも同じぐらい面白いことに気づいたからだ。
 第二の方法としては、夢中になる環境を整えることだ。私の学校では、英語の授業は著名な作家が書いた本を読むことで進められていく。「ロミオとジュリエット」などももちろん勉強した。今読んでいる本、「To Kill A Mockingbird」はアメリカのどの高校でも読まれている古くからのベストセラーだ。このごろ、私は部活の大会などで忙しく、本を読める時間がなかった。そのため、この英語の授業だけが、時間を無駄にしている、という思いを持たずに本を読めることができたのだ。初めは、少し意味がわからないな、とだけしか思っていなかったが、最後のほうには宿題も忘れて読んでいた。もし、英語の授業でこの本が出されていなかったら私は夢中に本を読めていなかっただろう。このような環境は必要だと思う。
 確かに、自分に合わないものは無理に読もうとしなくてもよい。しかし、「始めることも大切だが、やり遂げることの方が、もっと大切である」という名言のように、まずはどんなものでも最後かでやり遂げることが大切だ。もしそれでも合わないのなら、もう同じことはしなくてもいい。しかし、たいていはどんなことにも良い点はあるものだ。

   講評   tama

 普段から読書に親しんでいるかせりさんらしく、読書のよさや、読書によって得たものについて書いてくれました。まずは読んでみること、読み始めたら最後まで読むこと、これらを実践するための環境を整えることは非常に大切だと思います。主題は、「夢中で読むという生き方を大事にしたい」のように、読書に限定してもよいと思います。

【複数の方法・実例】 どちらもよく考えて書けています。特に第3段落の方法と実例がいいですね。日本の教育現場でも、もっと授業で読書をするという環境が整うことが望まれます。
 第2段落も、第3段落同様に「段落のまとめ」が入ると、さらにわかりやすいでしょう。「いざ読み始めると…読んだ」の表現を、あとひと工夫してみてください。

【反対意見への理解・まとめ】 自分の言葉で、言いたいことをしっかりと示すことができました。まとめの段落に「しかし」が二度出てくるので、こちらも考えてみてくださいね。


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