創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

昨日4215 今日409 合計60184
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   本当の貧富   サニー

   「本当の貧富」
         サニー
 良寛は食は乞食により、衣は着ている黒衣一つという極限の単純さに生きた。しかし、彼の詩や歌を見れば、貧しい生活を選んだこの人物の心の内がいかにゆったりと満ち足り、生きている日々を感謝の思いで生きていたかが分かる。人間は生きていくうえでなんとわずかなもので足りるか。我々が生活必需品のごとく思いなしている文明の利器などなくても人間は生きていけるのである。<要約>僕のような都会人は、現代の富んだ文明社会にどっぷりと浸かり、テレビだの携帯だのパソコンだの様々な電子機器を必要とする。どれだけ複雑で利便性を追求し、快適に過ごすのか。現代社会文明に生きる人間は、どうしてここまで生活の急激な変化を成せたのだろうか。
 便利で快適な楽しい生活は良い。パソコンはインターネットも情報整理も娯楽も出来る。都会はすぐ近くに商店街や駅があって住みやすい。買い物やお金をパーッと使うのが好きという人もいる。昔話や小説、実際の社会でも、大富豪や権力者などの自分がしたいことが出来てしまう人の中には、経済的に富んで、何不自由なく暮らしていても、心が貧しい人も見受けられる。イギリスのルイ14世や江戸時代の米屋や高利貸しなど、ほぼ自分中心に、自分だけ幸せならばよいか、飢饉の後や米騒動時の米屋のごとく生きている。人は許される限り求め続ける。現代は、重要な政治家などは国民投票で選ぶようになり、昔のような暴君はいなくなった。しかし、それでも権力におぼれて、肝心で大事なことを忘れて不正や非道理的、非合理的なことをしてしまう政治家がいることはとても残念なことだと痛感する。
 しかし便利で快適な生活より、自然と共に、シンプルな生活をしたいという人もいる。人間の持っているもので、生きていく上で本当に必要なものといえば、持っているものの中でほんの少ししかない。よく考えてみると普段の生活がいかに無駄なもので占められていることか。エスカレーターだって自動ドアだって、そこまでの必要性はない。僕も、訳の分からない置物や絵、ゲームなど、この世にあまり必要ないのではないかと思うことがある。人は、とても精密なコンピュータネットワークや、複雑な経済社会などのとても発展した文明を築き上げた。しかし、このような文明社会に生きている人は生命力が弱いと思われる。高い高層マンションに住んでいる人は地震や火事などで致命的になったり、遠く離れた外国の巨大企業が潰れたりするだけで世界全体が不況になったりする。一方、アフリカの、牛の糞を固めたような家に住んでいる人は大地震が来て壁の下敷きになっても死ぬことはないし、狩猟や農業をして生活をしている人には、世界経済など関係なく生きていくことが出来る。そして、自然の中で生きていると、経済的に貧しくても、心が豊かに幸せに暮らしてゆけると思われる。社会の塵労に付き合って生きていると心が病んでしまい、自然と共にシンプルに人間らしく生きていると心が生き生きとするのだろう。
 確かに、便利で経済的に富んだ生活をするのもいい。また、自然と共に、人間らしく貧乏に生きるのもいい。しかし大切なことは、貧富に関係なく、文明に頼りすぎず、自然と共存し、人が人らしく生きることだ。「寒さにふるえた者ほど、太陽の暖かさを感じる。」という名言があるように、過酷で美しい自然の中で生きた者にしか分からない、自然からの偉大な恵があるのだろう。僕は、これから、ときには郊外に出て、自然の空気を吸い、社会のいざこざを忘れて心を和ませることに心がけたいと思う。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! 試験前の大切な時間にしっかりと聞いてくれました。本当にサニーくんは頑張り屋さんです。定期テストが終わってから取り組んでいただいていいですからね。

 今回のテーマでは、機械化された便利なくらしと自然体の素朴な生活について考えて「要約」は、バランスよく工夫して抜き出してくれましたね。「意見一」では「便利で快適な楽しい生活は良い。パソコンはインターネットも情報整理も娯楽も出来る。」と挙げてくれました。文頭にはキーワードの「確かに」を入れらましょう。「体験実例」では、「伝記実例」ではルイ14世や米屋の高利貸しにうちて引き出しながらいて「しかし、それでも権力におぼれて、肝心で大事なことを忘れて不正や非道理的、非合理的なことをしてしまう政治家がいることはとても残念なことだと痛感する。」と「途中の感想」をサニーくんの人がらを感じさせるように書いてくれましたね。ここで「まるで〜のような」を使って「たとえ」が入れられるといいでしょう。「意見二」では、「しかし、便利で快適な生活より、自然と共に、シンプルな生活をしたいという人もいる。」と挙げてくれました。「社会実例」として挙げてくれたアフリカの牛の糞を固めたような家に住んでいる人達のシンプルな生活への思いを「社会の塵労に付き合って生きていると心が病んでしまい、自然と共にシンプルに人間らしく生きていると心が生き生きとするのだろう。」と、ていねいな思いを書けていたのがとてもいいですね。「総合化の主題」では、「しかし大切なことは、貧富に関係なく、文明に頼りすぎず、自然と共存し、人が人らしく生きることだ。」とまとめてくれました。ここでは「しかし一番大切なのは」と、キーワードの「一番」を加えるようにしましょう。「名言の引用」「具体的結び」、まで「僕は、これから、ときには郊外に出て、自然の空気を吸い、社会のいざこざを忘れて心を和ませることに心がけたいと思う。」と、自分を見つめてよく書けていましたよ。

 次は、五月十八日(月)に5月3週の課題で意見文の説明をしたいと思いますが、テスト期間中ですので、テスト終了後に「振り替え指導」を受けていただいてもどちらでもいいです。「父が父でなくなってきている(感)」を読んで暗唱も挑戦できそうだったらしてみましょうね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)