国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   集団   きうい

一つの集団は、一人の裏切り者と一人の犠牲者を生み出すことによって完成される。そうやって論理的に構成された集団は、自己完結する対人関係を必然的に生み出す。不安定な集団の中に裏切り者を作ることによって、お互い緊張しあう安定したものにすることが出来る。しかし、集団が自己完結しようとし、裏切り者を出すということは、集団が衰弱している証拠である。私たちは、集団や他人との関係において、一人一人が強く自分を持つべきである。
 私たちは、何か自分の納得のいくように事が進まないと、他人のせいにしがちである。例えば、朝どうしても目覚まし時計で起きられずに寝過してしまった時、なぜ起こしてくれなかったのかと家族を責める。いつもは一人で起きられる時間だけに、前晩の夜更かしや遊びを認めたくなくて、どうしても人のせいにしてしまうのだ。しかし、よく考えてみれば、自分の責任で寝過してしまったのだと後から分かる。多くの人は、面目がつぶれる上に周りから馬鹿にされそうで、自分の非をも認めることを避けたがる。しかし、自分を見直して過ちを知り、それを周りに発表することで、他人との関係がより良くなることは多々存在する。
 集団の中に一人でも裏切り者や犠牲者が存在すれば、その弱体化は始まっている。最も大きな集団である国家でも、同じことだ。外部はまだしも、内部に敵がいては、国家も安定しない。国民の支持を得て初めて国家としての機能を果たすようになるのだ。歴史が物語るように、どんなに権力の強かった政治体制でも、平民の暴動や反乱という内部の敵によって滅んでいる。集団が一つにまとまり、強くなるためには、まずは内側からの強いサポートが不可欠である。そしてリーダーは、国民を引きとめるだけ強さと、国民を理解するだけの広さが必要である。 
 確かに、自分の非を認めても、国民の支持を得ても、その集団で受け入れてもらえないこともある。しかし、集団とは、その形そのものが大切なのではなく、中に含まれる一つ一つの成分が大切なのだ。敵を作って、他人との関係や集団を、懐疑的に安定させるのではなく、お互いの信頼関係に基づいた関係で安定させたいものだ。

   講評   kira

 きういさん、こんにちは。的確な要約と意見の提示ができました。
★二段落、三段落の書き方ですが、まずはじめに「第一、第二の方法」を一文で述べてから、詳細な説明に入るようにしましょう。

 世の中が厳しく生き難いと感じたとき、とても心地よいのが「いいわけ」だと思います。「○○のせいでこうなった」と、うまく責任転嫁することでぐっと気が楽になります。「いいわけ」も個人的には責任の擦り付けであっても、社会的にとらえると、裏切り者を探しや自分が犠牲者になるという構図になります。物騒な話は、じつは個人的には安易な逃げの構図から発しています。しかし、人のせいにするというマイナスの発想からは、何も成長は生まれてきません。自分の責任として引き受け、次に何ができるかを考えることが大切です。
 第二の方法としては、「よいリーダーによる統治」ということでしょうか? これは専制君主ではなく、民主的なリーダーでしょうね。つまり、情報を公開して民主的な合議のかたちにするということでしょう。そうすれば、建設的な意見が出され集団も強くなれます。どこかの宗教団体がまちがった結束をみせた、かつての事件のような暴走は起こらないはずですね。
 「集団とは、その形そのものが大切なのではなく、中に含まれる一つ一つの成分が大切なのだ」という自作名言は、個人の成熟があれば、信頼と思いやりの社会が実現するという指摘にもなっていますね。


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