創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分に批判   いすも

 一つの集団は、一人の裏切り者と、一人の犠牲者を生み出すことによって完成される。
つまりそのとき、集団は論理的に構成されるのである。キリスト教でも、ユダが「裏切り者」として発明される事によってはじめて、キリストが「犠牲者」となり得たのであろう。私たちはグループ内で争いや喧嘩が起こらないように、個人がまずもっと強くなるべきだと思う。
 そのためには、第一に、チームの不調を自分の努力不足のせいにすることが大切だ。確かに、自分はファインプレーをしているのにチームの不調を自分のせいにする事は難しい。だが、皆がそう考えることによってより良いチームになるのだと私は考える。私は、ピアノを習っていて、ピアノ四重奏に入っている。ピアノ四重奏とは、ピアノ、バイオリン、ビオラとチェロ、四つの楽器で一つの音楽を奏でる音楽グループである。私たちはよく音楽コンクールや発表会に出て、年間何十回も人前で弾く事がある。その中で、上手くいかないときも、やはりあるのだ。だが、私たちはお互いなにも批判する事はない。たまに、「ここはこうすればよかったね」などということはあるが、「今日の発表会は彼女のせいで上手く行かなかった」などと一人だけに批判する事はない。皆で「今日はあまり良くできなかったから、家に帰ったら自分のパートをじっくり見直してまた来週練習しようね」という感じである。だから、私も気楽だし、相手だって気楽である。私たちはグループで、皆で一緒に一つの美しい音楽を奏でるのだ。だから、一人のせいで今日の演奏は下手だった、などと言うことはない。皆のせいで、グループのせいなのだ。下手だった演奏にしても、皆で次に向けて自分の弾かなくてはならない部分を頑張って練習すれば、次の演奏は今まで以上に上手になっているのだ。そうやって、人のせいにしないで、個人個人の努力によって、私たちグループは成長するのである。
 第二には、グループ内で敵を作る前に、情報をオープンに公開することが大切である。私はカナダに住んでいるが、カナダ人は誰でもそうである。サッカーやバスケットボールのチーム内でも絶対に話し合いの時間を持つ。そしてこの話し合いの時間を使って、思っていることを遠慮なく言うのだ。だから、カナダ人は話し合いの時間を大事にするし、有効に使う。この話し合いは、もちろんとてもオープンである。チームメイトに無視をされていると思った子は「何故いつもあなたは私を無視するのか」というスルーな質問を相手にしたし、ある子は「もっと私にもボールをパスして」と発表していた。そうして、意見を言われた相手は、自分の悪い面を直そうとする行為を見せる。要するに、チーム内で秘密はないのだ。皆が皆思っていることを口にするため、後ろでこそこそとする人はいない。だから、チーム内でもお互い本当に嫌いあうことはないのだ。日本では、思っていることを口にしない子がたくさんいる。相手に気使って、言いたいことをいえない人がたくさんいる。確かに、思っていることを遠慮なくいうと、多少は誰かを傷つける事はあるが、それでも自分のことを後ろでこそこそ言われるよりはマシではないか。カナダ人みたいに、遠慮ない話し合いをすると、チーム内でも安心していられるのではないか。
 確かに、チームになると、やはり相手を批判してしまう。それは人間の本能なので、それはそれで仕方がないことかもしれない。だが、やはり「相手を批判する前に、まずは自分を批判しよう」という自作名言通り、相手のことを嫌がる前に、自分のやっていることに嫌がることが大切だと思う。

   講評   ogi

 いすもさん、こんにちは。
 忙しい中、がんばって作文をたくさん提出しましたね。
 グループの中で個人が強くなること、そしてグループの中で秘密をもたないことが、グループを成長させることにつながりますね。カナダでの体験を交えて、とても良い例が挙げられています。

 今月もよくがんばりました。
 次回は進級試験です。
 締め切りは6月7日です。項目をすべて入れて、締め切りに遅れないように必ず作文を提出してくださいね。

    

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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