創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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「美の考え方」 いへゆ
人間の造型の美しさは、自然美の前では多くは低い次元の美だ。自然の美の本質は、美醜の対立を超越したところにある。自然には醜いものがない。どんなものもそのままの性質において美しいのだ。しかるに人間の造型美は、基準が個性におかれ、醜と対立する美という範囲内でしか考えられなくなり、自ら美の次元を低い段階に限定する状態となったのである。
私は人間の考える美のあり方を自然の美に近づけていくべきだと思う。
その方法として第一に、自然にふれることだ。自然にふれなければ、そもそも何が自然の美なのかがわからない。学校の授業で、先生にチューリップの絵をかきなさいと言われる
マンガやアニメばかり見ている人は、一本の線で左右対称のチューリップをかくだろう。しかし、実際のチューリップは一本の線でかけるようなものではないし、左右対称でもない。花びらの形はひとつひとつ違うし、ゆがみやかたろりがあって、それがチューリップの美しさを生み出している。しかし、人工的はものばかり見すぎていると、一本の線でかいたマークのようなチューリップが正しいチューリップだと思い込んでしまう。そうならないためにも、自然にふれて本当の美を知るべきだ。
その方法として第二に、周りと比べないことだ。比べることによって、美と醜にわかれてしまい、それぞれの本当の美がわかりにくくなっているのだと思う。今、女の子の「かわいい」の基準が、細くて、目が大きくて、おしゃれということになっている。だから、みんなダイエットに励んでいるし、メイクをするし、ファッション雑誌をチェックしている。街にいけば、同じような目をして、同じような服を着ている子を何人も見ることができるだろう。これは、この「かわいい」という基準にちょっとでも近づこうと、みんなが競い合っている結果だと思う。本当は真っ黒のパンダ目より、そのままの目のほうがよかったり、もっとその子に似合う服があったりするかもしてない。しかし、まわりと比べて自分を「かわいく」するために、本来の美が消されてしまっている。もっと、そのままの自分の美を大切にすべきだ
たしかに、美を比べて順位をとけなければいけない場合もある。美と醜にわける、いまの美の文化も大切にすべきだ。しかし、「美とは育てるものではなく、もともとそこにあるものだ。」のだ。このように、私は自然の美に今の美の考え方を近づけるべきだと思う。
講評 huzi
自然の造形は、他と比べてどうかということを考えていないからこそ、どんな人に対しても美しさを感じさせる力があるのでしょうね。
進級テストの課題でした。いつもとかわらず、のびのびとした意見に仕上がりました。
【当為の主題】は、人間の美のあり方を自然の美へと近づけていくべきだと明確な方向性を示せたね。
【方法】の最初に、まず大きな前提として「自然に接する」ことの大切さを示したのは、とてもいいです。美しさというものは、決まりきった形ではないということを自然そのままの造形物は教えてくれますね。
その上で【方法】の2に示したように、周囲を美の基準としない姿勢が必要なのですね。たしかに、今、美しいとされているファッションやスタイルは2、3年経つと格好悪くなるのです(笑)。ですが、大きな自然の美しさは、2、3千年前も同じでしょう。
【自作名言】、後半「そこにあるものだ」をよく思いついたね。さらに前半をもうひとひねりすると、より印象的な名言になりそうです。
進級テストは合格! おめでとう。
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