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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   お互いの文化   いすも

 科学技術は地域や民族の差異を超え、それゆえにヨーロッパに生まれたという出自の制約を抜け出て、全地球に広がった。その傾向は「硬い普遍性」を持っている。それに対し、文化は特定の地域の伝統をもち、「やわらかい普遍性」をふくんでいる。他の国の文化を取り入れるときは、自国の文化に合わせるべきだ。
 そのためには、第一に、他国の文化を良く受け入れて、理解する事が大切だと思う。私は6年前からカナダに住んでいる。今ではもう慣れて、カナダが大好きだが、初めは本当に最低だった。初めて来た時、私はカナダと日本の文化があまりにも違ったので、カルチャーショックを起こしてしまい、食べ物も食べることができず、貧血を起こしてしまった。飛行機で10時間乗っただけで、日本とは違う景色、言語、人、食べ物、常識などに惑ってしまったのだ。そして、日本の文化に慣れていた私は、幼いながらも、「カナダ」という文化を受けいれることができなかった。日本の文化が一番いい、日本人なのだからカナダに住んでいても、カナダの文化は関係ない、などとずっと考えていた。だが、やはりカナダに住んでいると、カナダの文化を受け入れざるを得ない。少しずつ自分でも気付かないところで、私は「カナダ人化」していた。そして、自分でもカナダという国の文化を受け入れなくてはいけない、住んでいる場所の文化も理解しなくてはならない、と考えるようになっていた。もちろん、私は日本人なので、日本の文化をもとに生きている。だが、カナダに住んでいる事によって、カナダの文化も取り入れることができ、上手い具合に二つの文化を混ぜ合わせ、今を生きている。他国の文化を自国の文化に合わせて今は生活ができているのだ。
 第二の方法では、自分達の文化も尊重する事が大切である。私の通っている学校は日本人が私一人だけである。だから、初めて今の学校に来た時、正直怖かった。日本人という人種はこの学校内で私一人だけということは、どういうことなのだろうか、いじめられたりはしないだろうか、と色々と考えてしまった。そして、初めは日本人である事を人にあまり言いたくなかったのだ。だが、私の不安は一気に消された。私の学年は特に日本が大好きで、日本のアニメや車に興味を持った人たちがたくさんいたのだ。そして、私に日本語を習いに来たり、日本の珍しいシャーペンや消しゴムを見に来たりして、たくさんの人がよってきた。学校ではちょっとした芸能人気分である(笑)。だから、私は日本人である事をもう人に堂々と言える。そして、誇りに思えるのだ。車で道を走っていても、トヨタやニッサン、ホンダ、ヤマハ、SONY、TOSHIBAなど、たくさんの日本企業が目に付く。任天堂ゲームなんかも友達が「日本人だから」といって、私に攻略法を良く聞いてくる。日本のジャニーズやバンドが大好きな子もたくさんいて、よくアイッポド等に入っている日本の曲を聞かされる。こうして、私は日本から10時間はなれた異国の地に住んでいるが、日本という自国の文化を尊重する事ができるのである。
 確かに、自国の文化だけを尊重したり、逆に他国の文化だけに興味を持ったりするのもいいかもしれない。だが、「他国の文化と自国の文化を両立して生きたらいい」(自作名言)というように、自分の国の文化を大切にしながら、他国の文化を受け入れることができたら、インターナショナルな人生を送ることができると思う。

   講評   ogi

 いすもさん、こんにちは。

<第一段落> 要約が上手にできています。要約と当為の主題の間に少し言葉を補って、自然につながるようにしましょう。(清書にする場合=要約の部分をはずし、当為の主題に合った内容で書き出しましょう)
<第二段落> 文化を受け入れられなくて大変だった頃の体験実例をまじえて、文化を受け入れることを方法として書くことができました。「貧血を起こすほどショックだった」ことを具体的に書くとより良いですね。その分、重複している内容(説明)を少し省いて、短めにまとめましょう。
<第三段落> カナダの人たちが日本文化を受け入れてくれることによって、自分の文化に自信がもてたのですね。すばらしいことです。お互いの国に興味を持って、お互いが尊重し合うような世の中は理想的ですね。
<第四段落> 「インターナショナルな人生を送る」というのは、「国際的な感覚を身につける」または「グローバルな生き方をする」などと置き換えると自然です。うまくまとまりました。

   

【表記】
★そのためには、第一に、→そのために第一に、(または「その方法として第一に、」)
★初めは本当に最低だった →初めはほんとうにひどいものだった
★カナダに住んでいる事によって →カナダに住んでいることによって(事はひらがなで)
★初めて今の学校に来た時 →初めて今の学校に行ったとき、(または「今の学校に始めて登校した日、」)
★シャーペン →シャープペン、シャープペンシル

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