創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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人間観察 あまぐり
「え〜と。今回は都合により中止となりました。」
「え〜。」
生徒の視線が先生に向けられた。
僕らは図工の時間にある作戦を立てていた。僕の学校の図工の時間にはとても変わった、楽しい先生が授業をする。その先生は「企て」をテーマに図工の時間を進めていく。つい最近とても面白い「企て」を実行した。
「先生〜。今日も「企て」しましょうよ〜。生徒の声が飛び交った。その日の「企て」のテーマは人間観察だった。あることを人間が実行し、それを見た人間はどのような行動を起こすのか。というのがテーマだ。その人間観察の作戦はこうだ。校庭にカラーコーンを1つ置き、張り紙をはる。そこには{月曜日の朝、8時25分から行います。}と、かかれている。そこでその看板を見た人間は何が行われるのだろうと考える。そして月曜の朝、僕たちのクラスがそのカラーコーンに並ぶ。そうしたら並んでいるのに気付いた生徒はその後ろに並ぶのか。これを確かめるために僕たちは必死になって取り組んだ。「ただ今15分待ち」と書かれている看板を作ったり、「こちらが最後尾」という看板も作ったり、整理券を作ったりいろんなものを作り作戦を実行した。僕たちのクラスは40人。100人以上並べば人間観察の作戦が成功だ。朝8時。僕たちのクラスの生徒が一目散に走りカラーコーンに並んだ。それを見た何も知らない生徒も並び始めた。それからというもの砂糖を目指す蟻のようにどんどん人が並び始めた。刻々と時間が過ぎてゆく。8時25分になった。生徒の目が輝き始めた頃で先生登場。「え〜。今回は都合により中止となりました。」突然の中止宣告。これも作戦のうちだ。「え〜。」生徒の視線が先生に向けられた。これも人間観察のうちだ。先生は何事も無かったかのように立ち去る。「え〜。まじかよ。」などといった声が飛び交ったが僕たちも演技をして何とかその場を乗り切れた。そのあとはあとはと言うと人間観察の話で学校中が騒ぎになった。その話題がそこまで膨らむとは思っていなかったから僕のクラスはものすごく驚いた。そして図工の時間……。「人って……」を題に人間観察を振り返った。大勢の人が並んでいると何のために並んでいるのかわからなくても、きっ良いことがあるのだろうと期待してしまう。それが人間の心理なのだとわかった。そしてきっと大きな発見ができる新たな「企て」を考えた。
人間観察というのは人間にとっていろいろな事を知るに当たって、思いがけない大発見をする可能性があるといえる。このような結果がわかったことによりこれからは人間の側面をもっと観察し、将来に生かしていけたらと思う。
講評 jun
これは、本当におもしろい話でしたね。
結びを充実させることができました。
7月からもがんばっていきましょう!
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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