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　　　楽しかった思い出　　　ひろ

「ぐい、ぐい、ぐい。」
「いたい、いたい。」
ぼくの先生は男でアイアンヘッドという必さつ技を持っている。体は大きくて、まるでドラえもんのようのように丸い先生だ。
そのアイアンヘッドは、頭を持ってギュッとにぎる技だ。先生は力が強いので、友達が言うには、相当いたいらしい。ぼくの学校には、各クラスに放送委員の人が来てカメラでクラスの様子を映して、給食の時間に全校にビデオを流す、「学級訪問」というコーナーがある。少し前に、ぼくのクラスにも学級訪問が来ることになった。その時にどんな話をするか、クラスで話し合った。司会の人が、
「じゃあ、まず、先生はどんな人かという質問にどう答えるか考えよう。」
と言った。
「デブ？」
と、ぼくの後ろの子が先生のことをまるでブタだと言っているかのように言うと、みんなが大ばく笑した。でもその時、先生がその子をじろっと見てにやっと笑った。ぼくには、それがアイアンヘッドをやるぞ、という合図に見えた。ぼくの後ろの子にもそう見えたらしく、
「いやだーー。いやだよーー。」
と少し丸まった。それから、一人が手を上げて、
「時にギャグにつっこみを入れてくれて。」
と言うと、二番目の人が、
「おこってるのに笑ってるように見える。」
と言い、最後にもう一人、
「アイアンヘッドという必さつ技を持つ。」
と、まるで打ち合わせでもしていたかのように言った。それで、その意見で決定した。
　次は、先生が生徒のことをどう思っているかという質問に対してどう答えるかを決める、ことになった。すると、さっき「時にギャグにつっこみを入れてくれて」と言った子が、こんなことを言った。
「もういい子達ばかりで、ぼくでは太刀打ちできません。」
すると、
「じゃあ、それでいいよ。」
と、先生が笑いながら言われた。それからリハーサルを行うことになった。まず、放送委員役の人が入ってくると、５人くらいの人がかたを組んで、
「ザ・クイズショー。」
と言った。だが、それはカットされてしまった。その後、リハーサルは最後までうまくいった。本番の時、ぼくもちょこちょこ飛びはねたりした。たくさん映っているだろうと思いながら、その当日に見てみると、窓からの光が強過ぎて、真っ黒で、後ろの方ははっきり映っている人は誰もいなかった。初めは窓側を映っていなかったが、後半は窓側を映すと先生が誰だか分からない。だから、みんなはちょっとしか映らなくてくやしそうだった。そんなおもしろいところが楽しいなとぼくは思う。
　ぼくは、母に先生との楽しかった思い出を聞いてみた。母は、
「小学校二年生の時の先生は、授業中誰かとおしゃべりしてたり、ごそごそしてたりすると、先生は黒板に字を書いていてもふり向きざまに、その人にチョークを投げるんだよ。それをよける人もいればコーーンと当たる人もいるし、コントロールがすごくよくてねぇ。
黒板のところには、いつも小さくなったチョークを準備しているんだよ。放課後に一緒に遊んでくれて、おもしろい話をしてくれたかなぁ。」
と話してくれた。ぼくは、チョークを投げて当てるとはコントロールがすごいと思った。母も当てられたことがあるか聞いてみると、
「おしゃべりをしていて当てられたことがあるよ。」
と笑って答えた。まじめな母も当てられたことがあるのは、
「えっ？」
と思った。
　ぼくは、楽しい先生がいればきびしい先生もいることがわかった。生徒にとって楽しい先生とは、いっしょに遊んでくれていろいろな話をしてくれる先生である。

　　　講評　　　kako


　こんにちは、ひろ君。お清書が書けましたね。今月も、よくがんばりましたね。来月になったら、梅雨が明けます。そうしたら、暑い暑い夏が来ますね。もうすでにむし暑くなってきていますが、暑さに負けないように、いっしょにがんばっていきましょう！