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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   本当の思いやり   うさちゃん

 「エクスキューズミー。・・・。コノ電車、浅草橋トオリマスカ?」
「えっと、この電車ではなくて、反対方面の電車ですよ。」
「・・・。ハンタイホウメン?」
「う〜ん。」
 手助けは良いと思う。手助けの基本的なもののなかに、道案内は確実にしっかりとあてはまっているであろう。私は最近、学校の帰り途中で道を聞かれることが多い。特に多いのは駅の中や電車の中だ。以前、おそらく観光に来たのであろう外国人に浅草橋までの行き方を聞かれたことがある。英語交じりの片言の日本語で話しかけられ、英語は授業で習った程度だったので分かったが、逆に片言の日本語の方が聞き取りにくくて苦労した。おまけに、この電車ではなく反対方面の電車だ。と言うと、今度は反対方面の意味が分からないらしく、首を傾げるので、私はその人と一緒に電車を降り、反対側のホームに連れて行き、ここに来た電車に乗って下さいと英語を交えて教えた。すると、発音のいい英語とスマイルで、「サンキュー。」と御礼を言い、ちょうどその時来た電車に乗っていった。さて、この道案内の一番のやりがいとは何であろうか?それは、笑顔である。今まで道を教えた人の中で無愛想にありがとうと言った人は運のいいことに、まだ一人も居ない。私は、その笑顔にやりがいを感じているのである。
 一方、手助けが社間になってしまうこともある。「自分でやりたい。」とせっかく思ったのに、そこにおせっかいが入ってしまうと、せっかくのやりたい気持ちがしぼんでしまうことがある。妹が宿題をやっているのを見ると、意識をしていなくても、ついつい手を出したくなることがある。そういうときは、本人の成長をさまたげるきっかけになってしまうかもしれないので、注意したい気持ちをぐっと抑えなくてはいけないのだけれど、「そこはね、こうやってやるんだよ。」と手を出してしまうことがよくある。すると妹は、きまっていつも
「分かってるよ。せっかく自分でやろうと思ったのに。黙っていて。」
と言う。その気持ちは、よく分かる。私も母に良くそれをやられているからだ。それでいらいらしてしまうのは、自分で何かを成しとげたと言う達成感を味わうことができなくなってしまうからであろう。
 確かに、手助けには良い面も悪い面も両方ある。しかし、一番大切なことは、『大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である。』と言う名言もあるように、手助けをするにしてもしないにしても、それが見せかけの優しさではなく、そこに本当に相手に対する思いやりの心があるかどうかである。

   講評   tama

 困っている人を助けるのは当然の行為であるという考え方はもちろん正しいのですが、何でも手を貸してしまうというのは、果たしてよいことなのでしょうか? ものごとには必ずプラスとマイナスの両方があることを理解しておかなければなりませんね。

第1段落: ドラマの一場面のような書き出しで、読み手の興味を引き付けることができました。さすがです。

第2段落: 本当に困っている人を助けた体験をもとに、手助けのよさを述べることができました。外国人に道を教えるのは難しいですね。「片言交じりの日本語が聞き取りにくかった」というところには笑いました。助けられた人はもちろん、人の役に立つことで、助けた人も笑顔になれるのですね。

第3段落: 助けを必要としない場合に、手や口を出す(笑)というのは、相手にとって迷惑なものでしょう。「小さな親切大きなお世話」と言った人がいましたが、手助けも度を超えるとおせっかいだということですね。

第4段落: 手助けは、自己満足ではいけないのだということですね。よく考えて書けました。

▲ 社間 → 邪魔


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