国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日44 今日326 合計370
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   「そこをなんとか」を読んで   クローバー

 日本人は義理人情にからまれて、どんなに明白な理由があろうと、相手に熱心にたのまれると何か気がひけるように思ってしまう。日本人のノーは絶対的な否定ではなくその一部にイエスを含むのだ。日本の絵画の特質には「余白の美」というのがあるが、イスラムの芸術はびっしりと空間をうめつくす。日本人の好む「余白」は可能性を意味し、画家と鑑賞者の共有の空間だ。
 日本人のよいところでもある「あいまいな表現」。私も、あいまいな表現をされたことがあった。仲良しの山ちゃんと私は二人ともバレエを習っていて二人とも髪が長かった。山ちゃんは髪を切らない主義で私も前はそうだった。でも、毎朝髪を編んでいくことが面倒くさいし、シャンプーが大変だったから、お団子ができるぎりぎりの長さ、肩よりちょっと長いぐらいにばっさり切ってしまった。切った次の日に電車に乗ってすぐに山ちゃんに
「私、髪切ったんだ。」
と言ったら、一瞬すごくイヤそうな、さみしそうな顔をしたが、
「そうだね。」
としか言わなかった。別に私は
「え〜。」
と言ってもらっても良かったのだか、山ちゃんがそんな返事をしたことにちょっと驚いた。私は山ちゃんにはだいたい言いたいことは言ってしまう。だから、山ちゃんが、私に気をつかってくれたことが不思議だった。私もこれからは言いたいことをどんどんいうのはやめたほうがいいのかなあと思った。
 おととい終業式で、通知表をもらった。私はオール5だった。私がすごくニコニコ笑っていたら、みんなに
「オール5だったでしょ。すごい喜んでるもん。」
と言われた。学校では通知表の話はしてはいけないので、私は
「さあ。」
と答えておいた。でも、みんなに
「だいたい、さあ?なんてニコニコ答える時っていい時なんだよね〜。」
と言われて、私って、バレバレの女なんだあと思った。私は、悪いときは知ってほしくないけれど、別に良いことを知られてイヤとは思わない。でも、一応学校の決まりは守らなきゃいけない。家に帰って私は舌をまるでカエルが獲物を取る時のように早くまわしながら、母にこの話をした。
 日本人は、あいまいな返事をすることによって相手を傷つけないようにすることが分かった。でも、きちんと返事をするべきときに、あいまいな返事をしてはしてはいけない。
<<要約>><<たとえ>><<体験実例>><<わかったこと>><<常体で書く>>

   講評   hoemi

《構成》 長文の内容をきちんと理解した上で要約できていますね。
《題材》 山ちゃんの返事はクローバーちゃんにとっては予想外れのものだったのですね。似合うとも似合わないともとれず、驚いているとも見えず…、山ちゃんのこの反応はどう受け止めるべきなのか困惑したことがよくわかります。先生は以前「結構です」という言葉を使って痛い目にあったことがあります。日本語の言葉を濁したような表現は使い方をしっかり選ぶべきですね。
《表現》 オール5をとったことを思い切り喜び、報告したかったクローバーちゃんの様子がうかがえます。それにしてもオール5とは素晴らしいですね♪
《主題》 日本人は人の心を察してあいまいな返事をすることがあるね。それは日本人が古くから美徳としてきたことだけど、使い方次第ではかえって相手を傷つけてしまいかねないこともあることを忘れてはならないね。

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)