創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   マロンは人気者   た-ぼー

「キャー、私にも抱かせてー。」
「ぼくにも、ぼくにも抱かせてー。」
この大歓声は何だろう。学校中の子どもたちの人気の的になっている動物。それは、学校が飼っているウサギのマロンのことである。マロンの意味は英語で『くり』だ。マロンだけに目もくりりとしている。
 マロンの体の色はだいたい6割が白、2割が茶色、残り2割が茶色に黒が混ざった色に分かれている。その姿はまるで三毛猫のようだ。三毛猫ならぬ三毛兎である。飼育委員にたのめば、休み時間中にマロンを抱かせてもらったり、えさをあげることができる。ぼくも一回たのんでみたら、マロンを抱かせてくれたうえに、えさまであげさせてもらえた。マロンの毛は短いが、ウサギ独特のやわらかさと温かさがあった。
 マロンは、草類ならほとんど全部食べられるが、特にキャベツとニンジンが好きだ。ぼくは、飼育委員にニンジンを渡された。ぼくは、それを鼻の近くで円を描くようにクルクル回した。そして、
「よーし、マローン。おいしい、おいしいニンジンだよー。ほーら、あーん。」
ぼくがそう言っている間にマロンはそのニンジンを観察しはじめていた。マロンが食べ物を食べる時に行う行動だ。マロンはまず最初に標的を観察し、うまそうだなと思ったら狩人(ハンター)の目になる。そのあと、ついにお楽しみの時間になる。マロンは、それはもう目にも止まらぬ速さで食べる、食べる。あっという間にたいらげる。
「オイオイオイ、速すぎだぜマロン。ニンジンは逃げないんだよ。」
 ぼくは、マロンの声を聞いたことがある。だが、変わった声なのだ。そう、ため息だったのだ。そのため息は非常に暗く元気が無かった。これに疑問を持ったぼくは、ちょっとした推理をしてみた。しばらくしてぼくは、こう考えた。今日のニンジンが口に合わなかったのではないかと。ここでマロンの一言。
「おい、ボウズ、こんな古いニンジン食わすな、アホ。今度からは新鮮なニンジン入れときい、たくっ。」
なぜか関西弁である。
 本で読んだ話だが、ウサギは自分のフンを食べるそうだ。ぼくは、そんなものを食べていいのかと最初はうたがった。しかしこの本を読んでみたらちゃんと理由が書いてあった。ウサギのフンは2種類ある。一つは、よく見かけるコロコロしたかたいウンチ。もう一つは、あまり見かけないネバネバしたウンチだ。コロコロウンチは、ほかの動物のように不必要なものとして体の外へ捨てられる。ネバネバウンチは、盲腸で作られるため盲腸フンとも言われている。ウサギの主食は草だ。草には胃や小腸でも分解することができない物質がある。これを盲腸の微生物が消化する。そうするとビタミンやたんぱく質がたっぷりの盲腸フンができる。いわばこれはまるで栄養カプセルのようなものなのだ。この後は食べられて捨てウンチになるのだ。これを食べないとウサギは死んでしまう。
 死んでしまうといえば、ウサギはさびしいと死んでしまうそうだ。うちの学校のマロンは、長年ピンピンとしている。その理由は、たぶん全校生徒が話しかけていて、マロン自身もみんなも楽しくしているからだと思う。だからこれからも一人一人マロンに仲良く話しかけることが重要だと分かった。
「マローン、これからもずっと長生きしろよー。あとニンジンは逃げないからゆっくり食べろよー。」

   講評   tama

 マロンに対する愛情がたっぷりつまった作文です。先生が以前、うちで飼っていたウサギ(「ユキチ」といいます)を思い出しました。
 マロンがずっと元気で、長生きしますように。

※ 30日はお休みです。
                  

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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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