国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分の将来と親への感謝   なまず

 友人だの隣人だの夫婦だのは、「えらぶ」ことができるが、親子関係だけは、「えらぶ」ものではない。そういう親子関係は、ごく自然なものとして誰もがうけいれていた。しかし、現代の一つの特徴は、親子という関係が「問題」化してきた、ということであろう。昔は子は親の「複製品」だった。だが、今はおむつのあて方、授乳の仕方までが、ひと時代まえとすっかりかわってしまった。社会が進歩し、変化するかぎり、この落差は避けられない。私は時代の変化は良いと思う。
 第一の理由は、親と同じ道を進めば自分の自由がなくなってしまうからである。たとえば、今問題になっている政治家の世襲議員。世襲議員とは、父母や祖父母など、親族から地盤(組織)などを引き継いで、議員になる人のことだ。別にいいだろうと思うかもしれない。しかし、選挙をするとき世襲議員は「組織」「知名度」「資金」と3つも有利なものを持っている。しかし、親族で政治家がいなくてもこれからがんばろうという議員はこんな有利なものは持っていない。最初は名も知れぬ一般の人なのだ。これではフェア(公平)ではない。これでも、いいじゃないかと思ってみると、世襲議員は親族から告いだものだから同じ意見しか持たない。これでは、一生政治は変わらないではないか。だからと言って親族が政治家だったら、政治家になってはいけないといったらまた自由が減ってしまう。
 第二の理由は、自分が実際に自由な環境にいるからだ。私の父親の仕事は父親の仕事。私が将来つきたい仕事は私の仕事。そのように、私の家は自由がある。私は父親の仕事には失礼かもしれないけどあまり興味がない。でも、父がやっている仕事は父の仕事ですばらしいものだと思う。それでも、やはり自分は自分でなりたい職業見つけて仕事をやりたいと思っている。そうやって、私以外にも親の仕事を引き継ぐのではなく自分は違う仕事をしてみたいという人はたくさんいると思う。そう考えたとき、親の真似ばかりするのではなく今度は自分から新しいことをやっていかなければならないのではないのかと考える。
 確かに、親は一生懸命働いてお金を稼いでいる。だから、そのありがたさを忘れては決してならないことだ。しかし、誰かの真似をして英雄・偉人になった者なぞ史上には一人も居ないという名言があるように、ひとの真似ばかりしてはいけない自分の将来は自分で一生懸命考え、さらに親が働いていることへの感謝、これを忘れてはいけない。他の人に自分の人生は決められない。たとえそれが親であろうとも。私はそう信じる。今日も、仕事へ出かける父親を、「いってらっしゃい」と見送った。心の中でいつかは恩返ししたいという心が開いていた。

   講評   kaki

【1段落目】
要約のあと、自分の考えが書けました。「私は時代の変化は良いと思う」の文を「私は時代の変化によって、子育て方法も変化することはよいと思う」としたら、テーマとしっかりと合います。
【2段落目】
1つ目の理由にぴったりの例が挙げられました。「世襲議員」というまさしく親の思想・環境が、子に全て受けつがれる昔ながらの親子関係が書けました。今、ちょうど騒がれている話題を選んだところがいいね。
・親族から告いだものだから→継いだものだから
【3段落目】
自分の話が丁寧に書けました。親の職業を尊重しながらも、自分の意見がしっかり述べられています。
「親の真似ばかりするのではなく今度は自分から新しいことをやっていかなければならないのではないのかと考える」という文も上手です。構成として、この文を「第二の理由は」のあとに持ってきた方がいいです。「第二の理由は、親の真似ばかりするのではなく、自分から新しいことをやった方が人間として成長するからだ。私は、実際に自由な環境にいる。私の父親の仕事は……」としたらどうかな? 
【4段落目】
名言の入れ方が上手です。この段落のどこかに「だから、私は、時代の変化によって、子育て方法も変化することはよいと思う」という1段落目の意見を入れてみよう。
「心の中でいつかは恩返ししたいという心が開いていた」という結びもお見事です。


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