低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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教科書の魔力 おむふ
まさに彼は棟梁であった。家を建てる上でなにより必要な棟と梁。それをつかさどるかのごとし頭を大工のあいだでは棟梁という。そう、勉強においての棟梁は教科書であるのだ。勉学に興じる際、傍らに当然といった顔立ちで鎮座する輩。それこそが教科書であろう。多くの学生がこれを苗床として己の知識を鋳造し、多くをつちかってきた。いや、つちかっている。そのためか教科書は絶対的といっていいほどの信用をまとっている。だが、それを糧にしている教科書はあまりに自惚れた。よどみなくそこにあるように思われた教科書は失態をおかしてしまったのだ。社会の教科書によるものである。一ヵ月ほど前、別段なにもすることがなく余暇をもてあましていたためきまぐれに社会の教科書を手にとって目にしていたらこういった記述がみられた。“ホーツマス条約”一瞬自分の頭が狂ったのではあるまいかと思ったほどである。“ポーツマス条約”ではないのか。教科書は魔力までもちあわせている。私は自分の朦朧とした記憶(といってもそれなりの自信はある)と教科書とを天秤にかけ教科書をとまどわずえらんでしまったのだ。まさに、諸刃の刃。その翌日はテストである。そう、解答欄に躊躇せず“ホーツマス条約”とかいてしまったのである。結果を露呈するのはひかえておく。散散たる結果であったとだけいっておく
人間は少々地図や書物にたよりすぎる性分がある。料理などにもいえることだ。本にかいてあったレシピどうりにつくったら自分の好みの味でなかった、自分の味覚でつくればよかったなど。自分の経験や感覚を重宝すべきなのでは。
書物などにたよると正確な情報がえられるといった面もあるだろう。しかし、適度に自分の考えで動き行動すべきではなかろうか。
講評 koni
【複数の意見】 相反する意見を挙げることができました。
【体験実例】 教科書に関する具体的な実例を挙げて詳しく説明したところがいい。続けて料理の実例を簡単に説明して、畳み掛けた説明ができたね。説得力のある実例です。
「書物などにたよると正確な情報がえられる」という意見の後にも、少し実例を挙げておくといいね。
【ユーモア表現・名言の引用】 書き出しの実例がおもしろい。「苗床」という表現もぴったりだね。
【総合化の主題】 結論はよく主張できています。情報はあくまでも情報で、それを使う自分の問題なんだね。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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