低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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変化と維持の選択 あほーどり
国語審議会では多方面に渡る議論をしてきたが、世間からは特に「ら抜き言葉」に注目が集まっている。「ら抜き言葉」をめぐる落差と断絶自体が国語問題の現状を反映していると見ることもできる。
若者が作る従来の尺度を越えた造語に旧世代がついていけない、地域による違い、官民の意識の落差などが背景にある。また、根本には、言語観の違いも横たわる。
審議会の役割も変わり、ことへの影響力を弱める方向に進んでいる。これは、各自が言葉をどうしていくかを考えねばならないということでもある。
何事も、時の流れとともに新しい形に変わってゆくのは自然なことであるだろう。芸術やファッションなどにも流行があるように、同じ文化である言葉にも変化が現れることを完全に防ぐことも拒むこともできない。
特に現代では、情報技術の発達により他国の文化に触れることがよういであり、新しい言葉が現れたときにそれが広まるのも早い。時代が進むにつれ言葉の変化は多様になってゆくのかもしれない。
しかし、昔からのものを守ることも必要である。現在を作り上げている、基礎となっているものを変えていってしまうことは今まで培ってきたものを否定することになりかねない。
私が高校のとき、ある友人が「日本語は世界で通用しないので、公用語を英語にすべきだ」といった。この例は極端すぎるかもしれないが、やはり日本語あっての日本文化であり、グローバル化の進む時代であったとしても日本語は守られるべきであると思う。
確かに、変えてゆくことも、昔もものを守ることも必要である。しかし、本当に大切なことは、「議会の目的は、議論を殴り合いの代用品にすることである。」という名言もあるように、自分たちの言葉をよく考え、よく議論することである。何も考えずにただ受け入れる、またはまったく変えようとしないような姿勢ではなく、それぞれの利点と必要性を認め、どのようにしたら日本語がよくなるかを考え、真剣に取り組むことが日本語の未来をよいものにするだろう。
講評 hota
よいですね。「総合化の主題」も、うまく扱えるようになりましたね。あと1ヶ月ほどで、この書き方も卒業となりますから、今のうちに「総合化の主題」の考え方をしっかりと身につけておいてください。
「日本語は守られるべき」との意見が、少々根拠が弱い気がします。「たとえば、日本の伝統文化の1つである『俳句』は、英語に直したとしてもその余韻、そのニュアンスが完全に伝わるかどうかは怪しい。だから、この俳句をはじめとして、日本語で残さねばならないものもあると思う。」などとしてみてはどうでしょうか。
「言葉」というものに対する意識をきちんと養っていくことが大切なのですね。あほーどりくんもきっと、作文を書く中で、それを身に染みて感じていることと思います。
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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