低学年から学力の基礎を作る
幼長、小1、小2、小3の基礎学力をひとつの講座で学ぶ。
読書の習慣、国語算数の勉強、暗唱の学習、創造発表の練習をオンラインで。


昨日3224 今日2858 合計58418
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   手助けによる人とのつながり   ☆shooting star☆

 「あの、よかったら席お譲りしますよ。」
バスの中で、私がケータイをいじっているとき、ある女性の声が聞こえた。その声の方へ顔をあげると、その人はその人の近くにいた老人に話しかけていた。すると、老人は嬉しそうに「ありがとう」と言って、女性が空けた席に座った。女性も「いいえ」と笑顔で返した。その場面を見て、私は人と人とのつながりにおいて理想的な会話だとほほえましく思った。年が経過していくごとに、日本の人々は、他の人とのつながりに興味を持たなくなりつつあり、一時的にしか見ない顔の人とは口をきかないようになってきている。私がバスの中で見かけたこの女性の思いやりで作られた会話は、今の時代では珍しいものなのだ。
 確かに、人間にとっての手助けは、思いやりの心から生まれる行動であり、それはまるで伝統的なもののように遥か昔から変わらずとても大切なものである。というよりも、人間は他の人からの手助けがなければ、生きていけないのだ。もし、今、世界が手助けのない世の中になるとしたら、人間はたちまち一直線に全滅に向かうだろう。私達は、私達の命を支えてくれる人々に感謝しなくてはならない。何よりも、手助けは、他の人とのつながりを深めるチャンスでもある。例えば、勉強でわからないところがある人が家族や友達から丁寧に教えてもらってわかるようになると、その人たちの印象が良くなったりする。手助けとは、人と人とが支え合って絆を深めていくための重要な鍵でもあるのだ。
 しかし、この手助けがただのおせっかいとなってしまうときがある。私はこの間、メールで友達と喧嘩をした。原因は、私のしつこさだった。前日、その友達は両親と喧嘩をして家出をし、幼馴染の友達の家に泊まっていた。私は、友達の両親が心配している光景が目に浮かび、その人に何度も家に帰るように促した。帰りたくないと言っているのに私があまりにしつこく帰れと言ったからだろう、友達は怒って「親と喧嘩した人の気持ちがお前にわかるのか」とメールしてきた。そしてしばらくの間、両者ともメールを送らず、自分の気持ちが落ち着いて反省してから、お互いに謝って喧嘩は終わった。これと似たようなことを、誰もが経験したことがあると思う。確かに手助けは他の人との絆を深めるものではあるが、同時に逆に絆を弱めてしまうものでもある。
 このように、手助けは時と場合によって、良いものとなったり悪いものとなったりする。そのことを考えて人々は、他の人の手助けをしようとする際に、自分たちの行動に自信が持てなくなって結局やめてしまうときがある。しかし、一番大切なことは、「大切なのは、健康らしい外見でなく、健康自身である」という名言があるように、その手助けをしようとする思いやりがあるということを忘れず、手助けを臆することなく進んでやるということだ。たとえそれが返って相手や自分に悪い状況を作ることになっても、真実の思いやりがあれば、相手にとっても自分にとっても人生の良い経験になるだろう。

   講評   mako

 たいへん説得力があっていいね。この作文自体は何の問題もないです。ただ、この作文のかたちは意見の総合化にはなっておらず、一つめの「手助けはよい」という意見が結論になっているね。もちろんこれは間違いではありません。
 総合化のかたちで書くとどうなるでしょう。結論は、はじめにあげた二つの意見とは視点や視界を変えた第三の新しい意見で結びます。人とのつながりを作り出す手助けはよい(意見A)。一方で、自立しようとする者を見守る姿勢も必要だ(意見B)。しかし、一番大事なことは、相手に対する思いやりである(意見C)。という形です。
 意見につなげる導入のエピソードをはじめ、身近な体験実例を上手に入れながら表現豊かに書けていてよかったです。かなりの実力とお見受けしました。次回はぜひ総合化の形で書いてみてください。



毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)