国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   自分の意志を持とう   ハオハオ

 冬に例年にない走りこみをして、今年こそは優勝を、と団結を強めていたのだが、三年の夏休みを前にした暑い午後、宗介はコーチの浅野に退部を申し出た。
「ああやって懸命に練習している仲間を裏切るのか」
「自分の生き方を自分で決めただけです」
宗介はためらうことなく言い切った。
一学期の終業式を終えて校門を出るところで宗介は吉川に呼び止められた。
「都大会のベストイレブンになれたら、私立高校のサッカー部に特待生で入れるかと思ってな。俺はさぁ、そう思ってサッカーやってきたんだ」
「悪いな」
宗介は砂の上に残る吉川の涙の跡をしばらく見つめていたが、やがて校庭を振り返らずに校門を出た。
私は自分の信念を貫き通すことは良いことだと思う。
 第一の理由は、自分の意志がないと周囲に流されてしまうからだ。あさのあつこの文章に、
『意志があるなら、想いがあるなら、諦めることはない。子どもは、いや大人もそうかもしれない。だとしたら、人間は、人間という存在はいつだって不自由で何かにからめとられ、何かをからめとろうとして足掻いている。理不尽に束縛され、専制に近い支配を受け、横暴にさらされる。そのくせ、誰かを支配し束縛することに会館を覚えたりするのだ。だからこそ、容易く諦めてはだめなのだ。想いを、意志を捨ててしまえば、自らの生を他者に委ねることになる』
というのがあった。この文を読む度に、自分の意志は捨ててはいけないんだ、と思う。
「本当はこうしたかったのに」
とか
「こんなところにいたくないのに」
というのは、言い訳なんだ、と思う。私は、たまに面倒な問題にぶつかると、
「ああもうめんどくさいっ!」
となって適当に決めてしまう。けれど、面倒で考えることが嫌になっても投げ出してはいけないことは、たくさんあると思う。そんな時、きちんと考えて、自分の道を自分で切り開ける人になりたいと思う。
 第二の理由は自分の信念を持っていないと常にまわりに流される、意志の弱い人間にみえるからだ。自信がないとオドオドしているようにみえるのと同じように、意志もなくふわふわと周囲にあわせている人は、頼りなく、弱くみえる。私の祖母がそうだ。祖母の場合は、周囲に気を遣いすぎるのだが、私が祖母の家に行くと、
「夕ごはんは何が食べたいの」
「明日はどこにいくの」
「お風呂はどうするの」
全て、私に合わせようとする。それが祖母の気遣いであり、優しさなのは分かっているが、もういいよ、と思う。もう少し、自分で決めてくれていいよ、と。祖母は、そうやって気を遣いすぎて、私が祖母の家に行くと疲れてしまうそうだ。私にも祖母を疲れさせる原因はあるのだろうが、自分の意志をあまり持たない祖母にも原因はあると思う。
 確かに、自分の意志を貫き通してばかりではいけないと思う。周りの意見を少しも取り入れないのは自己中心的だし、相手のいいところを少しも取り入れることができないからだ。しかし、『やさしさが、性格の弱さであってはならない』という名言があるように、受け入れてばかりではいられないのだ。だから、自分の信念はしっかりと持つべきだと思う。

   講評   kaki

3段落目を工夫することができたね。ぐっと良くなりました。


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