国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   言葉の変化   ☆shooting star☆

 「食べられる」か「食べれる」か。「見られる」か「見れる」か。後者の用法は許されるか否か。あるいは、そんなことを公に議論すること自体、有益かどうか。いわゆる「ら抜き言葉」だけが国語審議会で際立って注目されてしまった。背景には、日本語の境界を飛び越えていく若者の造語や、地域による違いなどがある。根本には、言語観の違いも横たわっていて、美しい言語が文化の基礎であり、なんらかの規範でもって維持していく必要がある、との考え方もある。それはそれであくまで審議会の議論の材料と考えるべきである。なぜなら、言葉遣いについて審議会は「ゆるやかな目安、よりどころ」を示すにとどまるべきだ、という立場をとっているからだ。審議会の役割も変わってきて、国語政策の規制を緩める方向に向いていて、影響力自体も弱める方向に向かっている。それは、逆にいえば、教育、マスコミその他それぞれの現場で、自分たちの言葉を考えていかなければならない、また、時代の変わり目で、私達の言葉をどうしていくか、各自が考える必要があるということだ。
 確かに、新しいものが出てくることは必要だ。私は、数年前にアメリカに住んでいた頃、現地校に通っていたのだが、そこでは生徒も先生も全員ノート型パソコンを持っていて、それを使って授業をするというのが普通だった。そのため、宿題や調べごとも主にパソコンを使って行っていた。日本でも、インターネットで調べて授業をすすめるという学校が多い。これは、今の時代は便利になったということを示すものであり、時代を便利にしていこうという人々の思いがこのような状況を作ったということがわかる。人間は、新しいものを探し求める生き物であるため、言葉も同様に、生活内におけるものやことは進化し続けるのである。
 しかし、一方で古いものが大切だということもある。例えば、敬語は昔から使われている言葉の一種である。敬語は、人と人の関係を結びつける重要な役割を持っていて、目上と目下の人を区別するためのものだ。もし、敬語がなくなったら、人々の生活はどうなるだろうか。きっと、たくさんの人たちが人間関係を作るのに困ることになるだろう。特に、相手と自分の関係を位置づけて初めて会話を交わすことができる日本人にとって、人と関係を結ぶのがとても難しいことになる。このように、昔から変えずに残しておくべきものもある。
 ものを新しくすること、そのまま残しておくこと、どちらも人々にとって大切である。しかし、「できあがった規則をなんとか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という名言がある。この言葉があるように、一番大事なのは、言語を使う人間の意識の高さである。人々は己の力で、何を新しくすべきか、何を残しておくべきかを考えなくてはならない。そうして、人間社会を皆で協力して作っていくべきである。

   講評   mako

 インターネットやパソコンが身近になった生活スタイルの中で、以前にはなかった新しい言葉がいっぱい生まれてきました。これはもう当然のことだね。言葉は生活と共にあるものなので、生活環境が変われば自ずと言葉も変わってきます。パソコンがまだ一般に普及していなかった頃は、メールやフリーズ、サイトなどといったカタカナ用語の氾濫は、ちんぷんかんぷんで困ったものでした。こうした単語もパソコンを使う生活があたりまえになってくると、無理なく身に付くというか、なじんでくるようです。
 一方、変化が著しいと言われている若者用語ですが、よくよく観察してみると、昔からある日本語独特のあいまい表現は健在で、やっぱりはっきりずばっと表現することを避ける傾向は変わってないなあとおもしろく思っています。たとえば、「ビミョー」あるいは一つのものしか指していないのに「○○とか」と言う「とか弁」、「××みたいな」というのもみごとな婉曲表現です。
 英語もわかる☆shooting star☆さんなら、日本語の特徴をより感じているかもしれませんね。日本語の良さは、日本の暮らしと結びついています。その良さを大事にしつつ、変化をおそれない柔軟さをめざしていけるといいなと思います。
 総合化の形でしっかり書くことができました。各段落の実例やまとめもいいね。自分だけの体験を入れると作文に個性が出てすてきです。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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