国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

昨日2569 今日301 合計2914
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

小学1・2年生   小学3・4年生   小学5・6年生   中学1・2・3年生   高校1・2・3年生

   協調しつつ判断す   うさちゃん

 視覚系は、その中に絶対座標を持ち込むようには進化してこなかった。あえてそれをすれば、いちいち座標を定めるために計算が膨大になり、いきなり大きな脳を作らなければならなかったかもしれない。逆に、我々が「比例」とか「相似」を考えることができるのは、本来、視覚系にそういう性質が存在するからであろう。目の網膜は、発生的、構造的には実は脳の延長であり、相似とは、脳の一部がやっていることを、脳のどこかの部分が知っている、ということかもしれないのである。
 確かに相対的というということは私たちにとって便利だ。私は中学二年生にしては小学五、六年生に間違われるぐらい小さいので、「これ」についてはとても重要である。さて、その「これ」とは、身長である。よく、「背の順に並んでください。」と言われ、私が並ぶ位置はだいたい、まえから四、五番目程度で、そのたびに、あぁ。神様あと少しでいいから身長を下さい。(あっ。足にね、足に。胴じゃないからね。(笑))と、とても悲しい気持ちになるのである。しかし、体育などで、この相対的な並べ方はとても便利なものであって、二列に並ばせれば自分と同じくらいの身長の人が横に来るのである。つまり、個人差はあるが、二人プレイなどをする時に役に立つのである。この様に、相当的という物の見方は考え込まずにすぐ決断ができるのである。
 しかし、すべて相当的な見方で物事が見られる訳ではない。つまり人生には絶対的なものが必要なこともあるとういうことだ。例えば将来の夢というのが例としてはよいであろう。ある人が「私の夢は内閣総理大臣になることだ。」と言い、もう一人の人は、「私の夢は、この町に小さなパン屋を作って町の人を喜ばせたい。」と言ったとする。しかし、この二つをどちらが良い、悪いなんで決めることはできない。それぞれ将来の夢という目標に向かって努力しているのだから、ここは相対的にものを見るべきではないと私は思う。まあ、ここで将来の夢という名だけで別に少しも頑張っていない人に応援をすることは難しい。しかし、目標に向かって少しでも努力している人なら、内閣総理大臣が夢な人でも町の小さなパン屋が夢な人でも、私は応援することができるだろう。私だって、教師という将来の夢がある。私はそのために少しずつ努力している。そして地道ながらもその夢に近づいていきたいと思う。
 確かに相対的なものも、絶対的なものもどちらも大切だ。しかし、もっと大切なことは、「できあがった規則を何とか守ろうとすることよりも、実態に合わせて規則を変えていくことが、真に規則を生かす道である」という言葉もあるように、絶対的なものをひとりで決めていくよりも、生きていく中で他人と協調しつつ判断していくことである。

   講評   tama

 視覚だけでなく、普段の生活や人生観においても、相対的なものと絶対的なものが必要だと理解することができましたね。実例に苦労したようですが(笑)、これでいいと思います。人と比べて判断することも必要ですが、これだけは譲れないという絶対的な価値観も、人生においては必要ですね。今回は現在の等身大のうさちゃんの気持ちが見えたところと、将来の夢が語られたところがよかったです。個性が光る作文でした。

【複数の意見・実例】 身長○○cmというだけでは、高い低いの判断は難しいですが、年齢や性別を判断の基準にすると、わかりやすい場合がありますね。(ほかにはテストの点数なども挙げられると思います。)
 将来の夢というのは、個人の絶対的な価値観によるものですから、他人と比べることはできません。よく考えて書けました。
▲ 夢な人 → 夢である人

【総合化の主題】 絶対的な価値観を持ちつつ、社会生活に適応するためには、やはり全体をよく見ながらも自分を見失わないということでしょう。(難しいですが。)

◎ 進級テストは合格です。よくできました。

                    

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

作文教室受講案内   無料体験学習   作文講師資格 
Online作文教室 言葉の森  「特定商取引に関する法律」に基づく表示」  「プライバシーポリシー」 
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)