創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   物事の進め方   ☆shooting star☆

 自分で判断し決断するということは、簡単なようにみえて実はとても難しい。大人でも、ときとして判断に困り、大勢の意見に依存して楽をしてしまうことも少なくない。その方が、その判断が仮に間違っていても、自分自身に責任があるわけではなく、ましてその責任を追及されることはないため、自分自身で判断するより、はるかに気楽であるという利点がある。したがって、他人や集団に依存して行動してしまいがちになる。さらに、最近の教育状況は、子供達に指示をして行動させるというケースが多くなってきている。すると子供達は、ことこまかな行動指針でないと、混乱しがちになるので、「マニュアル願望」になってしまう。もはや優柔不断といったレベルではなく、自分自身の判断や決断を最初から放棄しているといってもよい。つまり、彼等は自分で考え、判断し、決断するといった作業に慣れず、たんなる「指示」ではない「テーマ化された指示」を常に求めてしまう。
 確かに、自分で判断し、主体的に行動することは大切だ。ある日、私は数人の友達とコンビニへ寄って、お菓子を買っていた。すると、一人の友達が、見るからにとても辛そうなせんべいの袋を見つけ、「面白そうだから、私これ買う」と言った。すると他の友達も「私も」「私もそれにしよー」と次々に同じせんべいを買おうとしていた。私は一瞬、まるで自分も一緒に海の波に飲み込まれるかのように彼女たちの真似をして買おうかと思ったが、あまりにも辛そうだったので、他のお菓子を買うことにした。友達は「ノリ悪いー」と言ってきたりしたが、それぞれお菓子を購入した後、彼女達はそのせんべいを食べると、「これ辛すぎ!」と涙目でずっと同じ言葉を繰り返していた。友達が口の中にいつまでも残る辛さと闘っている最中、彼女達のようになることを予想していたので、私は無駄なお金を使わずに済むことができたのだった。このように、何か物事を決める際に、自分で判断すれば後悔もしないのである。
 しかし、他人の意見を取り入れることも、生きていく中では必要である。例えば、自分だけの力では解決できない悩み事があるとき、家族や友人に相談してアドバイスをしてもらうと、視野が徐々に広くなり、悩みの解決へ近づくことができる。逆に自分一人で全て解決しようとすると、視野は狭いまま、回り道になったり、解決できないままになってしまったりすることがある。人は誰でも、他人の助けが必要である。他人の意見や話を聞くことで、新鮮な発想や新たな発見が見つかるようになるのだ。わからないことがあったり、苦手なことがあったりしたら、まずは他人の考えや教えを参考にすることが、自分を向上させる手段の一つである。
 確かに、自分の判断で物事を進めていくことも、他人の意見を取り入れながらやっていくことも、どちらも大切だ。しかし、「存在するものには、良いとか悪いとかを言う前に、すべてそれなりの理由がある。」という名言がある。この言葉があるように、一番大切なのは、物事をどのように進めるのかではなく、どのような目的のために物事を進めるかということをしっかり理解することである。

   講評   mako

 よくできました。体験実例もいいね。自分で判断し決断したことが周囲と違うと「ノリが悪い」と言われてしまうこともあるのね。でも、周囲に惑わされず自分で決めたおかげで後悔せずにすみました。よかったです。けっこう勇気がいるよね。
 一方「人は誰でも、他人の助けが必要である」と自覚することは大事です。先日、介護疲れから心中を図ろうとしてしまった老夫婦の裁判がありました。裁判員の一人が「これからはもっと他人の力を借りながら生きていってください」と話したそうです。他人の助けを求めることが難しい現実もあります。でも、人間は助け合って生きていることを忘れないでいたいね。
 何を自分で決め、どんなことを助けてもらうかという判断をわたしたちは日々せまられているのかもしれません。それは自分がどう生きていきたいかという問題と結びついているように思います。


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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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