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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   文化の改善   ☆shooting star☆

 ヨーロッパの人々は、職業、地位、階級等の別なしに、人間は市民として互いに台頭の存在であるものとして自己を把握しているため、個人としてのそのありかたが独立的で強く頼もしい。しかし、その強い市民意識は、非常にしばしば、せまくるしい、自己満足的な、そして利己的なにおいを発散させる。他人の生活に無用に干渉しないかわりに、自分さえよければいいという態度が仄見え、飛躍的に言えば、それは愛に乏しい生活である。現代の日本人が、やがてヨーロッパ的市民性を模型として自立的な個人のありかたという彼等の文化の長所を見につけるのならば、このような短所も取り入れてしまうだろう。人格の確立ということは、他人の模型を追うのではなく、現在における自分自身の生活の基盤から、自力をもって追求していかねばならない。これは大変な仕事であり、統制的な押し売り的な手段は事柄を根本的に壊すため、すべては日本人自身の内部からの力が湧いて、なされねばならぬのである。
 確かに、人は誰でも、個人の自立というものが必要だ。自立しなければ、永遠に他の人に頼ってばかりの人生になる。私は、未だに親に甘えてしまうところがあり、料理もあまりしたことがないので、ろくにできない。ある日の夕方、私は母親と大喧嘩をし、母親が怒って夕食を作らずにさっさと寝てしまったということがあった。外食しようにも父親はまだ帰っておらず、自分で夕食を作るしかなかった。しかし、料理の材料や台所用具は準備したものの、玉ねぎの皮は包丁の刃に怯えてうまく剥けなかったり、塩の分量を間違えて辛くなったり、炒めすぎて焦げたりなど、失敗の連続だった。結局、冷蔵庫や棚にあった食品を食べるしか空腹を満たす方法はなくなってしまい、まるで敗者の気分であった。このとき私は、人に頼るばかりの生活は、自分の将来の生活のためにもすぐ改善するべきだと改めて思った。
 しかし、人は助け合いの精神を持つということも必要である。例えば、クラスメイトが勉強である部分がわからなくて自分に助けを求めた時、快く教えてあげる。すると、今度は自分が困ったとき、その人に助けを求めれば、その人も快くどうすればよいのか教えてくれる。こういう助け合いの繰り返しを幾度か重ねることで、お互いの仲が深まり、困った時はお互いに頼れる存在となる。この出来事が他の人との間にも起こることで、自分の周りに仲間ができる。これが、私の考える人々の理想的な生活である。たとえどんなに小さなことの助け合いでも、それが将来の自分への助けともなるのである。
 「独立」を生活の中心とするヨーロッパの伝統にも良いところがあり、「助け合い」を重視する日本の伝統にも良いところがある。しかし、「哲学者たちは、世界をさまざまに解釈してきた。しかし、大切なのは、解釈することではなく、変革することである。」という名言がある。この言葉のように、一番大事なことは、過去の伝統を取り上げてどちらが良いかを考え、良いほうをまねするのではなく、自分たちで新しく伝統を作り上げていくことである。つまり、「個人の自立と相互の助け合い」を両立させることが、私達にとって一番望ましいことなのだ。

   講評   mako

 体験実例がしっかり書けていてよかったです。
 わたしが自炊をするようになったのは、結婚して実家を出るようになってからです。本当に遅い巣立ちでした。若いころは、だれにも迷惑をかけない自立した人間になりたいと思ってきたのに、実際におとなになってみると、どんな人も助けられながら生きていることを実感するばかりです。
 特別な理由もなく成人しても働かず、親に養われている「ニート」という状態の人が存在するのは、日本や韓国といったアジアの先進国だけなのだそうです。欧米では、成人すれば自動的に独立しなければならないので、収入のない若者はホームレスになってしまうというのです。日本のような家族のきずながある方がマシだと言う人もいますが、甘え過ぎてしまうのも、まったく甘えられないのもどっちも哀しいことだと思います。
 自立と助け合いの加減は難しいね。自分でできることは精一杯自分でする。どうしてもできないことは助けてもらう。そうできるのが人間のつながりで、それが文化を作っていくのかもしれません。
★台頭⇒対等

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