低学年から学力の基礎を作る
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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おかわり一番 森チュウ
「ウーウームム。」
やっぱりデカイ子は食べるのが速い。でも、今日の給食はなんとしてでもおかわりするのだ。
その日は、ごく普通の学校がある日、だ。しかし、ぼくにとってはごく普通ではない。給食は全部大好きで、その中で、特にチャーホーサイが大好きなのだ。それに、午前の授業には体育があって、とてもお腹がすいている。ぼくは日直がいただきますを言う前に、こっそりおはしを持っておいた。
「いただきます。」
日直が言い終わると同時に、みそ汁の大きな具を口に放りこみ、いっきに汁を飲んだ。
「ゲホッゴホッ。」
むせてしまった。せきが止まるまで、けっこう時間がかかった。本当に急がば回れだと分かった。ライバルのデカイ子を見ると、とっくにみそ汁は終わって、魚のフライを食べていた。ちくしょー負けてたまるか。みそ汁の汁をゴクゴク飲んだ。飲み終わると同時にわかめご飯にはしをつっこんだ。デカイ子は魚のフライを食べ終わった。おのれー。左手に魚のフライを持つと、ご飯と一緒に口に入れた。フライを二口で食べると、やっとデカイ子に追いついた。
こんなによく食べるように書いているぼくも、身長は学年で4番目に小さい。しかも、三年前はおかわりなどとは、全く関係がない人間だった。デカイ子は、まるで、体中に胃があるように思えた。それが三年生の終わりごろになると、三日に一回ぐらいおかわりをするようになった。そして、四年生になると毎日おかわりをするようになった。そして、今ぼくは、チャーホーサイをめぐって、デカイ子と対決しているのだ。
あと残っているのはチャーホーサイとわかめご飯とみかんだ。デカイ子は当然食べるのが速いから、順番に食べていたら絶対に負ける。ぼくは、ご飯の上にチャーホーサイを載せて食べることにした。これがけっこうおいしくて、しかも、ご飯がもちもちして速く食べにくいところを、チャーホーサイが食べやすくしてくれた。ぼくがご飯チャーホーサイを食べ終わった時、デカイ子は、わかめご飯を食べ終わって、チャーホーサイを半分ほど食べたところだった。ぼくは、勢いこんで、みかんを一口で食べてしまった。かんでいると、口に入らなかったみかんの汁がこぼれてしまった。みかん本体を食べ終わると、おぼんの上にこぼれた汁を飲んで、お皿を大急ぎで持つと、ワゴンからチャーホーサイの入っているバケツをひったくって、お皿に入れた。これが結局クラスおかわり一番だったのだ。
よく考えてみたら母に早食いはダメと言われていたのだった。でも、食べている時は全く思い出さなかった。いつもは集中力がないぼくが、こういう時だけ集中するのだから、おもしろいなぁと思った。また、のどにつまらない早食いのやり方も研究してみたい。
講評 sango
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しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
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