国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   手助けによる人とのつながり(清)   ☆shooting star☆

 「あの、よかったら席お譲りしますよ。」
バスの中で、私がケータイをいじっているとき、ある女性の声が聞こえた。その声の方へ顔をあげると、その人はその人の近くにいた老人に話しかけていた。すると、老人は嬉しそうに「ありがとう」と言って、女性が空けた席に座った。女性も「いいえ」と笑顔で返した。その場面を見て、私は人と人とのつながりにおいて理想的な会話だとほほえましく思った。年が経過していくごとに、日本の人々は、他の人とのつながりに興味を持たなくなりつつあり、一時的にしか見ない顔の人とは口をきかないようになってきている。私がバスの中で見かけたこの女性の思いやりで作られた会話は、今の時代では珍しいものなのだ。
 確かに、人間にとっての手助けは、思いやりの心から生まれる行動であり、それはまるで伝統的なもののように遥か昔から変わらずとても大切なものである。というよりも、人間は他の人からの手助けがなければ、生きていけないのだ。もし、今、世界が手助けのない世の中になるとしたら、人間はたちまち一直線に全滅に向かうだろう。私達は、私達の命を支えてくれる人々に感謝しなくてはならない。何よりも、手助けは、他の人とのつながりを深めるチャンスでもある。例えば、勉強でわからないところがある人が家族や友達から丁寧に教えてもらってわかるようになると、その人たちの印象が良くなったりする。手助けとは、人と人とが支え合って絆を深めていくための重要な鍵でもあるのだ。
 しかし、この手助けがただのおせっかいとなってしまうときがある。私はこの間、メールで友達と喧嘩をした。原因は、私のしつこさだった。前日、その友達は両親と喧嘩をして家出をし、幼馴染の友達の家に泊まっていた。私は、友達の両親が心配している光景が目に浮かび、その人に何度も家に帰るように促した。帰りたくないと言っているのに私があまりにしつこく帰れと言ったからだろう、友達は怒って「親と喧嘩した人の気持ちがお前にわかるのか」とメールしてきた。そしてしばらくの間、両者ともメールを送らず、自分の気持ちが落ち着いて反省してから、お互いに謝って喧嘩は終わった。これと似たようなことを、誰もが経験したことがあると思う。確かに手助けは他の人との絆を深めるものではあるが、同時に逆に絆を弱めてしまうものでもある。
 このように、手助けは時と場合によって、良いものとなったり悪いものとなったりする。しかし、一番大切なことは、「大切なのは、健康らしい外見でなく、健康自身である」という名言があるように、思いやりを持つということだ。身近な例でいうと、子供の教育が挙げられる。子供への手助けは、時と場合を考えて行うかどうかを考えなくてはならない。ゆえに、手助けをするにしてもしないにしても、それがただの見せ掛けの優しさではなく、そこに相手に対する真実の思いやりがあるかどうかが重要である。

   講評   mako



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 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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