創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
小学1・2年生
小学3・4年生
小学5・6年生
中学1・2・3年生
高校1・2・3年生
自分確認の方法 ハオハオ
衰弱したアイデンティティの補強、それはたぶん「清潔願望」になる。じぶんでないものに感染することでじぶんが崩れてしまう、そういう恐ろしさにがんじがらめになるのだ。じぶんのなかに根拠のないまま、同一性を確保しようとするなら、ネガティブにじぶんを規定するしかない。じぶんの存在が他者にとってわずかでも意味があること、そのことを感じられる限り、ひとはじぶんを見失わないでいられる。他者の他者として自分を意識できないとき、ぼくらの自己意識はぐらぐら揺れる。じぶんの最後の防壁を、過剰に防衛しようというのが、異物との接触を回避しようとする清潔シンドロームだったのではないか。
私は、「自分は〜ではない」という否定的な形でアイデンティティを確立するよりも、他者との関係からアイデンティティを確立する法がよいと思う。
第一の理由は、自分一人で否定的にアイデンティティを確立するより、他者から認められる方が記憶に残るからだ。私は、部活で先輩に
「上手だね、昔から習っていたの?」
と言われて、すごく嬉しかったのを覚えている。同時に、「私は上手なんだ」と自信を持ったのも覚えている。このように、ほんの些細なことでも、長所をほめてもらうと、嬉しいし、記憶に残るものである。それを言われた人の存在が大きければ大きいほど、喜びも大きくなるだろう。友達に言われるより、憧れの先輩に言われた方が心に残るのと同じだ。
第二の理由は、他人から見てもらった方が、自分で気づかなかったいいところが分かるからだ。「他者にとってわずかでも意味があること」により自分を見失わないのだから、他者によって、自分を必要としている部分は違うはずである。色々な人とお互いをほめ合うことで、たくさんの「長所」を見つけることができるのではないだろうか。
確かに、いちいち自分を見失うたびに、「私の長所はどこ?」と聞いていたら聞かれる方もうっとうしいだろう。しかし、「短所を直す一番の方法は、長所を伸ばすことである」という名言があるように、他者との関係のなかでアイデンティティを確立するべきだと思う。
講評 kaki
2段落目に自分の具体的な体験を入れることができたね。ぐっと良くなりました。
毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘
自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。
|
お電話によるお問合せは、0120-22-3987(平日9:00-19:30)
| |