国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   柿   ゼウス

 色づいたカキは日本の秋を彩る風物詩だ。カキは中国で生まれ日本で大きく発展した果物で、また、日本名のままで世界に通用する数少ない果物でもある。柿はビタミンCを格別にたくさん含む果物だ。それはリンゴの二十三倍、温州ミカンの二倍にも達し、長年にわたって日本人の貴重なビタミンCの供給源となってきた。最近では、カキは外国から注目されている。カキは早生品種の開発が難しく、育種に時間がかかり、その作期は今も昔もあまり変わってはいない。カキには甘ガキと渋ガキとがある。カキが未熟のころは水(果汁)に溶ける性質があって渋く、成熟に従って渋みがなくなる。渋抜きは果実を温湯に浸して行っていた。カキが渋いうちは鳥もタヌキも手を出さない。渋は無用な時期に果実が動物に食われるのを防いでいる。渋を抜いてまでカキを食べてしまうヒトの出現は、カキにとって勘定外のことだったに違いない。(要約)
 ぼくが通っている小学校には、柿の木がある。その木は校舎からグラウンドに行く階段の横にある。今年はいつもより実がなるのが早かった。今までは運動会が過ぎてから、実がなっていたけれど、今年は運動会の日には、まるでみかんのようにすごくこいオレンジ色をした柿が実っていた。(たとえ)今までよりずっとおいしそうに見えた。ぼくは二年生の頃、同じクラスの友達と放課後に柿取りをしに学校へ行ったことがある。ぼくと友達は長いぼうや石を取ってきて、柿にぶつけたりして落そうとした。しかし、ぼくも友達も野球をやっていたわけではないし、二年生の時だから力もなかったので、柿に石を投げても届くわけがなかった。それに万が一当たったとしても、力が弱いから、気にしっかりついている柿が落ちてくる確率は少なかった。(前の話)
 「ダッダッダッダッ、ヒュー、バシッツ、ボトッ」。
 「やったー!」。
なんと四時半ぐらいになって、あきらめかけていた時に、石がたまたま柿に当たって、柿が落ちて来たのだ。しかし喜びもつかの間、落ちてきた柿は石が何回も当たって、黒くよごれてきたなかった。ぼくと友達の目的は柿を取って食べてみることだったが、落ちて来た柿はキズだらけで、気持ち悪くて食べられなかった。それでも苦労して取ったので、柿を二人の宝物にすることにした。
 人間にとって柿とは、昔から日本人が食べている果物で、今も大切にされている。(一般化の主題)ぼくは柿をさわって、においをかいだりしたことはあるけれど、食べたことは一度もないので、今度機会があったら、食べてみようと思った。

   講評   taimu

ゼウスくん、こんにちは。前回のお電話のとき、12日(月)が休み宿題であることを言い忘れていました。ごめんなさいね。今回の長文は難しかったと思いますが、振替えをうけずに挑戦したのですね。項目を意識し、主題に至るまで流れよくまとまりました。

<構成>長文をていねいに読んでいるね。ポイントをおさえた上手な要約になりました。

<題材>今学期は、「前の話」「聞いた話」「調べた話」を取り入れて、話題を広げる練習をしています。二年生のころ、柿をとりにいったエピソードをとりあげることができました。やっと落ちてきた柿が「黒くよごれてきたなかった」のは残念でしたが(笑い)、苦労して手に入れたからこそ、今でも鮮明におぼえているのでしょうね(^^)。色や音を効果的に用いて、臨場感のある説明になりました。

●話題が変わるところなので、「ぼくは二年生の頃……」から、段落をかえよう。

●<変換ミス>気にしっかり→木にしっかり

<表現>「まるでみかんのようにすごくこいオレンジ色をした柿」は、想像するだけでも食べごろだとわかるね。柿は種を運んでほしい時期になると、こうやって色味をかえることで、動物たちに食べごろを教えているのかもしれないね。

<主題>「人間にとって」というキーワードをつかってゼウスくんの意見をまとめることができたね。「柿食えば鐘がなるなり法隆寺」という正岡子規の歌にもありますが、日本の秋には柿がないとものさみしいね。長文の後半にある「渋は無用な時期に果実が動物に食われるのを防ぐ「適応」的な意味をもっている」あたりに目をつけても書きやすそうです。動物の食べたい思いと、種を運んで欲しい柿の思いが一致するなんて、自然とはうまくできているものですね。




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