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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   柿論   闇の女帝

柿は千年にもわたって日本人と共にあり、幾多の詩歌に詠まれてきた郷愁の果物である。大正期まで柿は日本の果物の王座に君臨していたが、時代の流れによってその座は林檎や蜜柑、梨に奪われてしまった。柿の渋はタンニンであり、渋は果実が動物に食べられるのを防ぐのである。<書き出しの工夫>
 そういえば、私も柿を最近食べていない。秋の果実と言えば昔は柿だったのだろうが、今は林檎である。スーパーでも柿売場は、他の食品売り場に占領されつつある。しかし、柿というのはこの上なく栄養満点であったのであり、庭先果樹としては最高だったのである。なぜだろうか。柿はいかなる理由で不人気な果実になってしまったのだろうか。
 柿の原産地は中国である。古事記に柿の名が記されていることから、奈良時代頃に伝わった可能性が高い。庶民たちが本格的に栽培し始めたのは、明治時代とされている。柿は北海道と沖縄県を除く全ての都道府県で栽培されており、中でも和歌山県、奈良県、福岡県は非常に盛んに栽培されている。柿の品種数は1000を超えるが、甘柿と渋柿に分けることができる。甘柿は渋柿の突然変異種と考えられていて、日本特産の品種である。柿が赤くなると医者が青くなるとも言われているほど栄養豊かで、二日酔いにも効く。柿が庭先果樹の最高峰なのは、柿は適応地が広く、管理の手間もかからないため、ある程度放任してもよく育つからである。
 種類も栄養も豊富、手間暇かけずに育つ優等生の柿が、なぜ不人気なのだろう。ますます深まるナゾである。逆に私はなぜ柿をそんなに食べないのであろう。私にとって、柿の食感が平凡なのである。林檎は、一口食べると甘みが口中に広がってシャキシャキという歯ごたえもよく、梨は口に含むと水分がじゅわ〜と染み出て、蜜柑は酸味と甘味のミックスがほどよい。しかし、柿は甘いというわけでもなく酸っぱいわけでもなく、シャキシャキしているわけでもない。バラエティーに富んだ他の果実と比べて、味にこれといった特徴がない。私的には、もう少し刺激に品種改良してほしい。(でも柿は品種改良をしにくい果実なのだ)
 父が生まれたのは、田舎であったから幼い頃から柿泥棒をやったらしい。竹をYの字になるように割き、柿のなっている枝をつかんでくいっと捻る。すると、柿が取れるではないか。幼き由和少年は戦利品を得るとすぐさま逃げ出しましたとさ。とこういうわけだ。甘柿か渋柿かを見分けるには、経験がモノを言うらしい。私は、昔の田舎は実に伸びやかでいいなと思った。
 味に特徴がない御飯が他の食事と共に食べることで美味しさが増し、高い人気を得ているように、味が平凡な柿も同じような工夫をすれば人気回復に繋がるのかもしれない。しかし、「柿+?」というのは聞いたことがない。柿が人気回復するには味に変化を持たせるべきだろう。人間にとって柿は、身近だけど忘れられることが多く、果実の在り方も
考えさせてくれる。

   講評   inoko

 闇の女帝さん、こんにちは。インフルエンザがまだまだはやっています。気をつけましょう。
次回は、11月7日です。




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