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　　　季節感のある暮らし（清）　　　うずら

　「バシャーン、バシャーン」水しぶきの音がした。ギラギラとした太陽の下で、人々が楽しそうに笑いながら、水をかけ合っている。私の住んでいるタイでは、四月十三日から十五日にかけて、ソンクラーンという祭りが毎年このように行われる。四月はタイの旧正月だった。だから、四月の十三日から十五日は休日で、人々は水をかけ合いながら正月を祝う。このお祭りが訪れると、タイの夏が来たということが実感できる。私はこのような季節感のある生き方をしたい。
　そのための第一の方法としては、変化を楽しむ気持ちを持つことだ。私の住んでいるタイは小さい変化はあるが、基本的には、一年中暑い。しかし、小さいながらも、タイにもちゃんと日本のように季節の変化がある。タイには雨季と乾季があったり、日本のように果物の美味しい時期があったりする。雨季には、毎日のように雨が降り、雷がゴロゴロとなる。私と父はこれを家の中から眺めるのが好きである。この雨が原因で池が増水して、魚がピチピチと道路に跳ねていたこともあった。（笑）私は季節によって食べる果物が違う。マンゴーは三月から六月ぐらいが一番美味しい。マンゴスチンの旬の季節は五月から九月頃だ。私の好きなドラゴンフルーツの旬の季節は五月から十月である。私の好きなのは紫色のドラゴンフルーツで、この果物は旬の季節でないと姿を消す。季節によって違うフルーツを食べるのは楽しい。紫色のドラゴンフルーツは排出物の色を紫色にしてしまうが、これがまた楽しい。（笑）というように、変化を楽しむことが大切である。
　第二の方法としては、学校や社会で、もっと季節ごとの行事を大事にするような文化を作ったり、自然と触れ合う機会を増やしたりすることだ。タイにはソンクラーン以外にもローイ・クラトンというお祭りがある。このお祭りでは川の女神に感謝と謝罪の心を込めて灯篭流しをする。お祭りや行事を大事にするのは大切である。南方熊楠は幼い頃から山で昆虫や植物を集めていた。彼は新種の粘菌を刑務所に入れられているときに発見した。普通の人だったら見逃していたことを発見出来たのは、彼が小さい頃から山や森の中を歩き回っていたからだろう。
　確かに、科学の発達は、人間に快適な環境をもたらした。暑い夏も涼しく過ごせたり、寒い冬も暖かく過ごせたりする。病人やお年寄りが寒さに震えたり暑さに弱ったりする社会は決して良い社会だとは言えない。私も今さらクーラーを取り上げられたら、集中力がなくなり、作文が書けなくなる。しかし、「自然はそれを愛する者のこころを裏切ることは決してない」という名言もあるように私たちは季節感のある人生を送っていくべきではないだろうか。「バシャーン、バシャーン」水しぶきの音がした。

　　　講評　　　hutu