創造と発表の新しい学力
作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)
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秋は夕暮れ マロン
春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて紫だちたる雲の細くたなびきたる。
これは清少納言作、「枕草子」の冒頭である。今と当時では季節感が違うが、彼女は、季節や自然を感じながら暮らしていた。そんな暮らしは、とても素敵だと思う。現代の社会では、暑ければクーラーのスィッチを入れ、寒ければすぐに暖房をつけてしまう。野菜やフルーツはスーパーで、どの季節のものでも手に入れられる。ビニールハウスなどで何でも年中栽培されているのだ。魚でさえ冷凍という方法をとればいつでも食べることができる。季節感がほとんどなくなっているのだ。私は昔のように季節感のある人生を送りたい。どうしたらいいのだろう。
そのための方法としては第一に、変化を楽しむ気持ちを持つ、ということがあげられる。
たとえば、たまにはいつもと違う道で帰ってみる。違う道で帰ると、いろいろな発見がある。名前の知らないかわいい花を見つけたり、ひそかに有名なケーキ屋、たくさんの動物を飼っている家、良い雰囲気の公園にも出会えるかもしれない。そんな変化は、自分に小さな幸せをもたらせてくれるはずである。
最近私は修学旅行で、奈良、京都へ行った。東大寺の二月堂からは沢山の木や山が見えていい眺めだった。木々はもう紅葉が始まっており、緑の中に赤や黄色などの鮮やかな色が混ざっていた。「きれいだな…」と思わず皆もらしてしまったほどである。前回、家族で六月にこの場所に来たときには、木々は全て若々しい緑色をしていた。たった三ヶ月の違いで、こんなにも景色は変わってしまうのである。そして後一ヶ月もすれば、山は全部赤と黄色で敷き詰められるだろう。このような自然の変化を私は大切にしていきたい。
また、第二の方法としては、学校教育や社会全体でもっと季節ごとの行事を守っていくような文化をつくることがあげられる。子ども達が自然と接する機会が少なくなってしまった今、大人が面倒くさがらずに、行事を大切にすることを教えていくべきである。春はお花見で桜を楽しみ、夏は太陽の下で元気に海水浴。秋は月を眺め、冬は雪遊びにお正月、豆まき。そんな季節感のある行事を暮らしの中にどんどん取り入れ、家族や友達と沢山味わえればいいと思う。日本にはすばらしい習慣が沢山ある。
子どものとき、「うつけもの」と呼ばれていた織田信長は、野山を駆け回って、あたりの地理や自然を熟知していた。そのために戦では、最高の時刻と場所を選び、見事勝利を収めることができた。つまり、風邪や天候など、自然を味方につけることができたのである。
このように、日ごろから、地球や自然とともに生きているという実感を忘れずに暮らしていくべきである。
確かに、科学の発達は人々に快適な生活、暮らしやすい環境を多くもたらしてきた。病気や障害のある人、小さな子どもやお年寄りも困ることなく生活できる。寒暖の差をあまり感じなかったり、いつでもおいしい食べ物を季節とは関係なく味わうことができるのは、とてもいいことなのかもしれない。
しかし、それよりももっと季節感のある人生を送るほうが楽しさも充実感も多いのではないだろうか。同じ一つの人生なら、昔の人のように、それぞれの季節を楽しんだほうが私は得だと思う。「寒さに震えたものほど、太陽の暖かさを感じる。」という言葉があるように、私達も一つ一つの季節を大切にして生きていきたい。
秋は夕暮れ。(中略)日入り果てて風の音、虫の音などはたいふべきにあらず。
すばらしき日本の風土。
講評 miki
これだけ字数が多い作品を、推敲しながら、パソコンで清書するのは、大変だったことでしょう。風邪をひいて体調がすぐれない中を、本当によくがんばりました。(^_^v〜
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