国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく
国語読解力は、あらゆる学力の基礎。問題集読書の復読と、読解検定の自主解説で確実に力がつく。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   人間の会話   サニー

 私たちが言葉を用いるとき、何かを伝えること以外に主たる狙いのある場合がある。真夜中の閑静な町中で、見知らぬ人に出会って何となく不安な気持ちになることがある。そんなときに相手が「今晩は」などと言うと急に気が楽になって、あいさつを返すような経験を持つ人も多いだろう。仕事や用件の話の前に天候などの当たり障りのない会話を交わすことも、お互いの警戒心を弱め、安心感を高める効果がある。<要約>
 確かに、会話を交わすことは人と人との距離を縮める効果がある。会話はお互いに考えていることを話し合う、心の交流だ。人との付き合いでも、いきなり食事に誘ったりしない。その人と話して、心をある程度通わせてから、その関係を深めていく。「マッチ売りの少女」も、ただ「マッチ要りませんか」と言うだけでなく、「今日は寒いですね。炎で身体を温めるためにマッチはいかがですか。」と丁寧に営業していればもう少し儲かっただろう(笑)。僕の学校では「あいさつ」を強く推進している。あいさつの働きは、気軽に話しかけることでお互いの恥ずかしさや照れ、緊張などの話しにくい要素が弱まり、円滑な人間関係を生み出すというものだ。生徒会活動基本方針にも「あいさつの活性化」という項目がある。毎朝、生活委員と執行部、先生が門の前に立って登校する生徒たちにあいさつのシャワーを浴びせ、あいさつを返さざるを得ないような状況を作り出している。部活でも、あいさつを厳しく強制するところがある。たまにPTAの保護者にも「あいさつ運動」を学校から依頼して門の前に立ってもらっている。あいさつと言うものは本来、親の躾によって昔から普通の礼儀として教えられてきた。だから偶然の出会いや、家族間で自然発生的にあいさつが交わされるような状況が一番望ましい。なので、学校の生徒ならまだしも、それを学校まであいさつする為にわざわざ地域から親を呼び寄せて門の前に立たせるような行為には違和感を感じ、やりすぎだと思う。
 しかし、会話と言っても、一方的に実りのない話ばかりされては困るという意見もある。世の御婦人方には「長電話」を一つの娯楽として楽しむ人がいる。お互いにそれを楽しめていれば、長ったらしい他愛のない話でよいのかもしれない。しかし、相手は自分の気ままな長電話に苦痛を感じていないか、やるべきことを後回しにしていないか、という配慮が必要だと思う。また、相手と会話するときにはある程度目的を持って、内容のある話をしないと相手もつまらないし、失礼に当たる。
 言葉には人間関係の潤滑油と内容を伝えるはたらきの両方がある。あいさつをすることは大切だが、それは手段であって目的ではない。あいさつによって、会話が発展し、人間関係の輪が広がっていくことが望ましい。また、その会話を充実させ、実りのある人間関係を築くことも大切だ。「大切なのは、健康らしい外見ではなく、健康自身である。」という名言もあるように、社交辞令ではなく、相手とできるだけ心を通わせ、心で話すことも大切だ。僕も、この両方を上手に使って、円滑で充実した人間関係を育てて行きたい。

   講評   komiko

 サニーくん、こんにちは! あいさつの良さについてしっかりとした意見文を書いてくれました。いい「体験実例」が引き出せていますね。

 「要約」をうまくまとめることができましたね。「意見一」で「確かに、会話を交わすことは人と人との距離を縮める効果がある。」と挙げた後の体験実例ではあいさつについて学校での執行部の取り組みについてていねいに表現できていました。さりげなく「昔話の引用」や「ユーモア表現」を入れることができているのがかっこいいですよ。「まるで〜のような」を使った「たとえ」がぬけていましたが、「あいさつのシャワーを浴びせ」を「たとえ」表現を光らせることができていますし、親御さんのあいさつ運動について「途中の感想」も素直に書けています。「意見二」で「会話と言っても、一方的に実りのない話ばかりされては困るという意見もある。」と挙げた後の「社会実例」では長電話について考えることができました。「途中の感想」も冷静にまとめられましたね。第四段落の「総合化の主題」をよく考えてくれました。大事なことが二つ挙げられていましたので「大事なのは、あいさつによって、会話が発展し、人間関係の輪が広がっていくこと、そして、その会話を充実させ、実りのある人間関係を築くことなのだ。」と「総合化の主題」のキーワードを入れてまとめるとよりよくなりますよ。「名言の引用」と「具体的結び」にも成功しましたね。よくがんばってくれました!

 次は11/9(月)に電話をします。長文を読んでの意見文です。「フィンランドの(感)」の冒頭三百字の暗唱にチャレンジしてくださいね。

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