創造と発表の新しい学力
総合選抜入試にも対応。探究学習を超えた、新しい創造発表学習。
AI時代には、知識の学力よりも、思考力、創造力、発表力の学力が重要になる。

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作文教室の丘から 小学生、中学生、高校生の作文 (編集)

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   個体性   いすも

 レイジ・アゲインスト・ザ・マシーン「機械に抗する怒り」とでも訳すことの出来る、このロックバンドは、たかだかまだ二枚のアルバムをリリースしたに違いない。だが、彼らは文字通り、怒りを発し続けているバンドである。アメリカらヨーロッパの社会が抱える諸問題のうち、主として若者層の病巣と考えられる幾つかの問題に対して、彼らはその切迫した事態を性格に感受しているのだ。私たちは、全てにおいて個体性を持ち続けるべきだと思う。
 そのためには第一に、人に頼らず自立心を持つことが大切である。皆と同じ規則にしたがって、皆と同じような方法で人生を歩んでいっても、楽しいことは何もない。私はカナダに六年前から住んでいる。そしてすぐに気づいたことは、こちらの人は自立心が非常に高いということだ。日本では、あの子が頼むものを私も頼む、あの子がトイレに行くなら私もトイレに行く、などとグループで行動する光景がよく見られるが、カナダではその正反対である。あなたはあれを、私はこれを頼む。あなたがトイレに行きたくても私は行きたくないから行かない、とこんな風である。だからであろう、自分で組み立てる家具などを買っても、マニュアルらしきマニュアルは入っていない。マニュアルと書いた紙を見てみても、でたらめな絵が八つぐらい並んであるだけで、実際にどうやって何をするのかなど全然書いていないのだ。私の家族が始めてカナダに来て、家具を買ったとき、苦労した。十種類ぐらいのねじが入っていても、どのねじをどこに入れるのかわからなかったので、全然仕上がらなかった。このように、こちらの人は全てにおいて個体性を持ち続けている。皆が皆、異なった意見を言い合いうのだ。はじめはこちらの人のこういう生き方についていけなかったが、今ではこういう個体性を持ち続けるカナダの文化が大好きである。
 第二の方法は、人のことを気にせず、自分の意見を発表することが大切である。クラスの前で、発表することは恥ずかしいし、難しい。それでも発表すれば自分のためにもなるし、クラスのためにもなる。そして、自立心が身につくことが出来るのだ。私は日本にいた頃、クラスの前で発表など、吐き気がするほど嫌であった。恥ずかしいし、自分の意見について反対する意見が出るのが怖かった。だから、クラスでも静かに座っており、なるべく先生との視線をそらしていた。だが、それはカナダに来て百八十度変わった。カナディアンは発表が大好きである。誰でも怖がらず手をまっすぐに上げ意見を言いたがる。たとえその意見や答えが間違っていても、強気でいるし、笑って流す人もいる。私は、このようなカナディアンの態度に尊敬し、自分もああいう風に恥ずかしがらないで意見が言えたらな、とずっと思っていた。そして、カナダに来てちょうど一年過ぎた頃、思い切ってクラスの前で手を上げ、発言を述べた。緊張したけど、自分の自己意見が言えてとてもすっきりしたのを覚えている。それから私は自信がつき、どんどんクラスで意見を言うようになった。はじめは怖いけど、強気でいると、全然怖いことはないのである。
 確かに、個体性を持たなく、グループで行動するのもいいかもしれない。グループ活動をすると他人のい意見も聞くことが出来て、自分のためにもなるからだ。だが、「人の意見に流される前に、まず自分の心に自分の意見を聞いてみよう」(自作名言)というように、自分の意見を大切にすればいいと思う。自分の意見に基づいて生きていくと、後で後悔することはない。人は一人ひとり違うのだから、意見ももちろん異なる。それを、わざわざ他人と合わせなくてもいいのである。

   講評   ogi

 
 いすもさん、こんにちは。日本を離れて「個」を重視する国で暮らしているいすもさんならではの作文が書けました。

 日本人は周りを気にするあまり、自分を出さないことが多くありますね。かつて、それは日本人の美徳とされたものですが、国際化が進んだ現代では、あまり個を抑えると、自分の主張や希望が通らなくなってしまいます。カナダでは家具ひとつを取っても、合理的にできていますね。余計なことは書かず、後は自分で考えましょう、と。日本のものは何でも丁寧ですが、その親切さに慣れてしまうと自分がどんどんなくなってしまうこともあるかもしれませんね。おもしろい実例が書けました。
 また、自分(個)を出すためには、周りの環境も大事です。カナダの学校では受け入れる側の姿勢も素晴らしいですね。みんなにバカにされたり笑われたりするようでは、思い切った発表はできませんね。四段落目もじょうずにまとまりました。
 これからの世の中では、若い世代の人たちが、恥ずかしがらずにもっともっと自分を出して理解し合っていくべきだと思います。がんばってね^^

       

毎月の学年別「森リン大賞」作品集森リンの丘 
 自動採点ソフト「森リン」で上位になった作文を掲載しています。
 しかし、子供たちの実力はそれぞれ個性的です。上手に書けている子の作文を見せて、自分の子供の作文と比較しないようにお願いします。

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